【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 517】新型肺炎に打ち勝つ戦略7 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘

  • 2020年5月5日

 前回に引き続き、新型肺炎に打ち勝ち、終息後にさらなる発展を遂げるためのステップを紹介しよう。新型肺炎の流行により観光業は大きな打撃を受けているが、こういう時だからこそ意気消沈することなく、経営改善に向けた取り組みを着実に実行していきたい。流行はいずれ終息する。良いスタートダッシュが切れるよう前向きに準備したい。

 10、長期戦に耐えられるか財務診断を行う

 政府の支援策が大幅に拡充されたことにより、短期的な資金繰りのめどを付けて落ち着いている施設は多いだろう。一方で、自粛要請の長期化や宿泊客の回復遅れによって、借入金が加速度的に膨らむことが見込まれるならば、長期戦に耐えられるか財務診断しよう。

 借入金が膨らみやすいのは、土地建物を賃借して施設運営しているホテル・オペレーターである。料飲原価や水道光熱費、消耗品費、リネン費、清掃費、送客手数料等の変動費は休業によって大幅に削減することができる。人件費も雇用調整助成金を活用すれば、支出を最小限にすることができるだろう。税金も納税猶予や来年度以降の減免が用意されている。

 一方で、地代家賃は営業しているか否かに関係なく毎月高額の支払いを迫られる。

 宿泊主体型ホテルの場合、売り上げ予算に対して3割を超えることも珍しくない。中規模の施設でも年間賃料が1億円を超えることもある。短期的には賃料引き下げや保証金の充当によって経費抑制できるケースもあるが、賃借人も銀行返済があるため賃料引き下げを継続するのは現実的に困難である。
 このような状況になると、ホテル・オペレーターは賃料を支払う原資を確保するために多額の借り入れを続けなければならなくなる。終息後の利益で挽回できるのであれば良いが、そうでない場合は法的整理を行った方が傷は浅く済む可能性がある。

 今後の事業収支、資金繰り、返済について財務シミュレーションを行い、経済的に合理性のある判断を行いたい。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
 
 
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