【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 492】すぐに効果が出る経費削減のコツ1 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘

  • 2019年10月23日

 好況に見える観光業界であるが、政情不安や災害の影響を受けやすいというリスクを軽視してはいけない。多くの利益が出たからといって節税を名目に経費を使い過ぎてしまうと、万が一の時に資金繰りに窮することになる。好況に見える今だからこそ経費の引き締めを行いたい。

 今回コラムでは、すぐに効果が出る経費削減のコツを勘定科目ごとに紹介しよう。

 1、食材原価

 原価管理を調理部門任せにしていないだろうか。総売上に対する食材原価率が25%を超えていたら赤信号である。料理のことが分からなくても取り組みやすい経費削減策は、仕入日計表を作成することである。

 日計表の作り方は簡単だ。まず、業者別、食材別に納品伝票の金額を毎日入力し、日別および累計の食材仕入額を把握する。次に、日別および累計の総売上を入力して、食材仕入額との比率から、食材原価率を把握する。前月末の棚卸し額を加算しておけば、毎日の食材原価率をリアルタイムに把握することができる。

 この日計表を作成することで調理部門の意識や行動を大きく変えることができる。日別の原価率が分かるので無駄な仕入れをしないよう気をつけるようになる。売り上げとの対比で異常値をすぐに見つけることができるので不正防止に役立つ。実際に日計表を導入しただけで食材原価率が10%近く下がったケースもある。もし、高い原価率に疑問を持つようだったら導入してみると良いだろう。

 2、飲料原価

 飲料原価率がここ数年で上昇傾向にあるようならば、仕入れ単価が上昇傾向にないか伝票をチェックしてみよう。中にはウイスキーのように従前の数倍になったものがある。1品ごとに料飲原価率を算出し直して、ドリンクメニューの内容や価格を見直そう。

 原価率以上に気をつけなければならないのが在庫量である。飲料在庫が1カ月分以上あるならば、一度に仕入れる量が多すぎるか、売れていないドリンクメニューが多いか、客室冷蔵庫の在庫が滞留しているなどの可能性が考えられる。棚卸資産回転率や棚卸資産回転期間などの指標で在庫目安を決めると良い。

 必要以上の在庫は資金繰りにも悪影響を与えるので、仕入れを必要最小限にするよう見直そう。

(アルファコンサルティング代表取締役)

 
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