【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 466】失敗しないM&A戦略5 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘

  • 2019年4月12日

 前回に引き続き、M&Aを実施するに当たり失敗しないためのポイントを紹介しよう。事業拡大、発展のチャンスとなる成功事例もあるが、中には本業の業績悪化につながった失敗事例も出てきているので注意したい。

 6、事前に資金の準備をしておく

 買収対象となる旅館・ホテルの業績が芳しくない場合は、譲渡代金を金融機関から調達するのが難しいケースがあるので注意が必要だ。意向表明する前に取引金融機関に対して融資してもらえそうか相談しておくと良い。

 供給過剰が懸念される都市部や観光入り込み客数が落ち込む地域においては、慎重な融資姿勢となっている。対象物件が旧耐震や借地上の建物、区分所有物である場合は担保評価額が低く抑えられるため譲渡代金の一部しか融資が受けられないこともある。

 譲受契約締結後にトラブルにならないよう、資金調達が難しいことが予見される場合には自己資金を準備しておくことが望ましい。

 7、引き継ぎ後の改革プランを練っておく

 業績悪化した旅館・ホテルを譲受する場合には、意向表明の段階から具体的な改革プランを練っておこう。譲受契約を締結したら、支配人候補者を中心に、予約、調理、購買などの主力部門からメンバーを人選して、改革プランを実行するための統合推進チームを派遣することになる。

 売主に配慮して既存の体制を残すことは、業績改善に逆効果となるので注意したい。赤字原因を突き止め大胆に改革していくことが必要だ。

 8、本館との相乗効果が得られるようにする

 買収先の選定に当たっては、本館との相乗効果が期待できるか検証しておくことが望ましい。業態や運営手法の異なる館を買収する場合には、本部機能の統合や食材・メニュー、広告宣伝、人材採用・育成、システムの共通化が可能かどうか検証しておこう。

 バラバラだと経費を二重に負担することになり、また人事異動しにくいために人材難に陥りやすい。買収先のモニタリングもしにくいため、気づかぬうちに業績悪化していることがあるので注意したい。

(アルファコンサルティング代表取締役)

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