【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 458】事業承継と親子関係1 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘

  • 2019年2月10日

 後継者不足により第三者へ売却する企業が急増する中、旅館・ホテル業は家業的性質が強いため血のつながった子息へ承継するケースがいまだに多い。一方で、親族内承継だから円滑な意思疎通が図れるかというとそうではない。血のつながった親子であるがゆえの葛藤が旅館・ホテルの運営にさまざまな影響をもたらすことがある。今回は、親子の性格や関係を例示しながら、事業承継を円滑に進めるコツを紹介しよう。

 1、親は外交的、子は内向的

 旅館・ホテルの経営者は政財界からさまざまな要職を頼まれることが多い。両親が社交的で成功体験を積んでいれば子にも要職に就いてほしいと考えるだろうが、子も外交的な性格になるとは限らない。むしろ対照的な性格の方が多いと思われる。

 このようなケースでは、親は子に対して社交的になるよう無理強いすべきではない。子の性格に合わせて社外活動は必要最小限にとどめ、館内の業務効率改善や接客サービスの向上、施設メンテナンス、マーケティングなどに才能を生かした方が良い。経営者が社交的であることはメリットばかりではない。必要なお付き合いは、他の親族や幹部の持ち回りで対応しよう。

 2、親は挑戦的、子は保守的

 事業の成長意欲が高く、増改築や多店舗展開に熱心な旅館・ホテルの経営者の子息が親と同様の器を持っているとは限らない。親が過度に事業拡大し過ぎたために子息の代になって衰退の憂き目に遭うことは珍しくない。親が挑戦的である一方、子が保守的であれば子の性格に合わせて事業の整理や縮小を承継前に行っておくことも一案である。

 すでに承継した後であれば、親から子に「事業の整理や縮小を望むならば、どのように進めても構わない。事業規模を維持することに固執する必要はない」と伝えると良いだろう。

 地域の名士である旅館・ホテルの経営者は、衆目にさらされ、親子で比較されやすい。くれぐれも劣等感や親に対する反発心を持たせないよう配慮したい。

(アルファコンサルティング代表取締役)

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