【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 457】成功する業務マニュアルの作り方12 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘

  • 2019年1月29日

 前回に引き続き、業務マニュアルを上手に作成するための手順を紹介しよう。作成するに当たって重要となるポイントだけでなく、運用・定着化のコツも紹介したい。

 12、運用・定着化の方法

 業務マニュアルが完成したら、運用ルールを決めよう。特に、老舗の旅館・ホテルの場合、業務マニュアルの導入に抵抗感を示すスタッフもいる。スムーズに導入し定着化できるよう手順を決めたい。

 まず、マニュアルを配布する対象者と配布手段を決めよう。正社員、嘱託社員、契約社員、パートアルバイトといった直接雇用しているスタッフだけでなく、派遣スタッフも対象としたい。新人スタッフは内定受諾から入社日までの間に配布すると良い。

 配布手段は、手間と経費はかかるが、印刷・製本して全員に配った方が高い学習効果が得られる。タブレットやスマートフォンの普及率が高い職場であれば、Teachme Bizのようなマニュアル作成ツールの活用も有効である。

 次に、マニュアルの理解と浸透を目的とした研修カリキュラムを作成しよう。既存スタッフであれば3日間(計6時間程度)、新人スタッフであれば新人研修の期間(2週間程度)を目安にカリキュラムを組むと良い。研修効果を高めるために、外部講師の活用やロールプレイ、セルフチェックの実施、成績のフィードバックを行うこともお勧めしたい。

 思考の柔軟な新人スタッフは指導内容を素直に受け入れるが、既存スタッフは従来のやり方に固執してしまう可能性がある。抵抗感が見られる既存スタッフに対しては、研修とは別に個別面談して理解してもらうよう工夫しよう。

 最後に、マニュアルの管理・更新を所轄する部署と定期的な更新ルールを決めよう。マニュアルは完成したその日から陳腐化が始まる。半年、1年と時間が経過すればするほど、実務にそぐわないものとなり形骸化してしまう。管理・更新する部署は人事総務部門とするのが一般的である。年1回、社内アンケートを実施して意見収集し、経営陣を交えた委員会を開催すると良いだろう。委員会開催が定例化すれば、時間と労力をかけて作成したマニュアルは年を追うごとにレベルアップし、会社の貴重な財産となるだろう。

(アルファコンサルティング代表取締役)

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