【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 439】日本型泊食分離の進め方2 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘

  • 2018年9月6日

 前回に引き続き、日本旅館が泊食分離へスムーズに移行するための具体的ステップを紹介しよう。拙速に導入すると業績悪化につながるリスクがある。思わぬ落とし穴に注意しながら進めたい。

 泊食分離を導入する際には、さまざまな問題が生じる。主な問題点と解決するためのポイントを紹介しよう。

 (1)1人料金が割高になる

 泊食分離した場合の客室料金は、宿泊人数に関わらず原則として同一料金となるため、1人利用の場合にはどうしても割高になってしまう。

 この問題を解決するためには、割安に利用できる1人利用向けの客室を決めておくと良いだろう。稼働状況により客室数が不足する日があれば、料金変更なくアップグレード対応すれば良い。もちろん高ランクの客室に1人で宿泊したいというお客さまには正規の客室料金で販売すれば良い。

 (2)小人料金の分だけ減収となる

 泊食分離した場合、追加ベッド(ふとん)の利用がない小人からは宿泊料金を取ることができなくなる。小人の売り上げ構成が高い旅館は減収となるリスクがあるので注意が必要だ。

 この問題を解決するためには、小人の夕朝食は別料金とする、プールなど付帯設備の料金を引き上げる、大人の宿泊料金を若干値上げするなどの対策を行うと良いだろう。

 (3)特別室利用者の顧客満足が得にくくなる

 泊食分離すると、露天風呂付き客室の宿泊客に対して、低いランクの料理を出すケースも出てくる。原則論としては問題ないように思えるが、お客さまにとっては「客室は良かったけど、食事は期待よりも良くなかった」という印象を持ちやすい。特別室利用者に対しては、一定ランク以上の料理から選んでもらうと良いだろう。

 (4)料飲部門の売り上げが減少する

 泊食分離を徹底しすぎて、夕朝食を注文しない宿泊客ばかりになると料飲部門の売り上げが減少してしまう。特に館周辺にレストランの多い旅館は注意したい。

 この問題を解決するためには、当初は素泊まり、朝食付きプランの販売数を限定すると良い。様子を見て問題なければ販売数を増やしていくと良いだろう。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

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