【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 432】働き方改革法への対応2 青木康弘

  • 2018年7月20日

 前回に引き続き、働き方改革法への対応について具体的なポイントを紹介しよう。罰則付きの残業時間の上限規制、年次有給休暇の取得義務、勤務間インターバル制度導入の努力義務、同一労働同一賃金など、旅館・ホテルの運営方法を根本から見直さなければならない制度改正が多い。早いものは来年4月1日より施行されるので、早めに準備しておこう。

(2)時間外労働の削減

 時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度と定められた。

 複数月平均80時間というのは、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月の平均で、いずれにおいても休日労働を含んで80時間以内という意味である。違反した場合は、代表者ならびに法人に罰則が課せられることがある。

 人手不足により慢性的に残業時間が高止まりしている旅館・ホテルは、早めに対策を講じたい。

 シーズナリティによる繁閑差が大きい館は、繁忙月であっても100時間を超えないようシフト組みを工夫したい。特に、管理職、料飲サービス、調理部門は気をつけないと簡単に上限を超えてしまうだろう。また、繁忙月の前後の閑散期は、残業時間を大幅に減らすための対策が必要となる。

 シーズナリティに関係なく、常に残業時間が高止まりしている館は、絶対的な人手不足か、人員配置や業務の進め方に問題があると考えられる。給与水準や待遇を見直して人手確保に努めるとともに、仕事が非効率になっていないかよく調べてみよう。必要のない確認作業や資料作成に時間を取られていたり、教育研修が行き届かず戦力になるスタッフが育っていなかったり、お客さまサービスに時間を取られすぎていたりする可能性がある。

 お客さまに負担をかけることになるが、レストラン営業時間の短縮や夕食スタート時間の繰り上げ、宴会終了時間の周知徹底、部屋出しプラン販売数の削減なども検討する必要が出てくるだろう。長時間労働は止むを得ないという考え方は通用しなくなってきている。労働法制の改正に合わせた見直しが必要だ。

(アルファコンサルティング代表取締役)

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