【訪日ラボの目線 インバウンド市場を読み解く 11】春節の人気旅行先は日本だがトレンドは「中国人がいない所」

  • 2019年2月15日

 観光業界において国内旅行のゴールデンウイークに並ぶ、もしくはそれ以上に重要なキーワードとなった「春節」。中国で旧正月を祝う1週間ほどの長期休暇であるが、2014年ごろに「爆買い」現象が発生して以来、中国人旅行者が非常に増加する期間として有名になった。

 春節は旧暦の祝日のため、新暦との兼ね合いから毎年日付が異なる。今年は2月5日が春節当日で、連休は前日4日の「除夕(大晦日)」スタートの7連休となる。そのため、本紙発行の9日は、春節後半戦に対応している現場担当者も多いことだろう。

 中国の最大手OTA「Ctrip」の調査によれば、18年の春節休暇中、約650万人の中国人が海外旅行に出掛け、1人当たり約12万5千円を支出し、従って春節による海外旅行市場は約8千億円程度に上る。近年の中国での海外旅行人気のトレンドからも、19年はより多くの中国人がより消費することが見込まれる。

 中国での報道によると、19年春節の人気旅行先ランキングは日本が1位となった。昨年の国慶節に続く1位の快挙だ。続いて、タイ、香港がランクインしている。上位勢の顔ぶれにはあまり変化がないものの、新しいトレンドとして、南極や南アメリカなどの注目度が高まっている。これは、中国の海外旅行ブームの裏返しで、人気の海外旅行先に行っても「中国人だらけ」だと海外旅行の醍醐味(だいごみ)がないから、との見方ができる。

 この「同胞に会いたくない」というトレンドが強くなると、現状の「中国人だらけ」の日本の人気観光地は、魅力が半減しかねない。ここ数年の中国人の訪日旅行トレンドは「食」「文化・歴史」「地方」にシフトしつつある。このトレンドをうまく生かし、地方のプロモーションを手厚くすることで、中国人観光客を地方に分散させ、「同胞に会いたくない」という中国人のニーズと、インバウンド消費を獲得したい地方のニーズをかなえていくことが重要になるだろう。

関連する記事

前回に引き続き、M&Aを実施するに当たり失敗しないためのポイントを紹介しよう。事業拡大、発展のチャンスとなる成功事例もあるが、中には本業の業績悪化につながった失敗事例も出…

続きを読む

改めて申し上げるが、「磨け!独自価値」の言葉は、弊社が発行する「旅館の経営指針」において、昨年掲げたテーマフレーズである。 ところで、その前年の「経営指針」で掲げたテ…

続きを読む

認知症高齢者の増加が今、国際的に問題となっている。わが国では、2012年に推計462万人であった認知症高齢者数が、2025年には700万人に達し、さらにMCI(軽度認知障…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み メルマガ申し込み

注目のコンテンツ

第32回「にっぽんの温泉100選」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位別府八湯、3位下呂

2018年度「5つ星の宿」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?

第32回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2019年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「見所・体験の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

18年度「部門別・旅館ホテル100選」(2019年1月12日号発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

観光経済新聞の人材紹介

  • 旅館・ホテルの人材不足のお悩み無料相談はこちら
Visit Us On FacebookVisit Us On TwitterVisit Us On InstagramVisit Us On Youtube