【訪日ラボの目線 インバウンド市場を読み解く 9】中国市場を失った「炎上事件」 学ぶべき異国の文化への敬意

  • 2019年1月6日

 2018年11月、世界的ファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」(以下、ドルガバ)がたった1日で中国市場を失った。きっかけはSNSで投稿した動画だったが、上海のファッションショーは中止となり、EC市場からも強制退場となった。

 ドルガバは11月18日、同社のインスタグラム公式アカウントで、3日後に開催予定だった上海のファッションショーの広告的動画を公開した。その「アジア人らしき女性が、箸を使ってピザやパスタを食べる」という内容が侮辱的だと批判を集めた。

 その後21日、ドルガバ社デザイナーのステファーノ氏が、個人間メッセージで「中国はクソみたいな国だ」とコメントしたことがリークされ、本格的な炎上に発展した。ステファーノ氏はすぐに「(リークされたメッセージは)私ではない」と釈明し、ドルガバ社としても謝罪の動画を配信したものの、鎮火はしなかった。

 ファッションショーに出演予定だった中国人一流モデルらが、次々と出演キャンセルを表明し始め、上海のファッションショーは中止に追い込まれた。さらに中国の主要なECサイトからドルガバ製品の販売が停止され、リアル店舗でも製品を乱暴にダンボールに投げて“整理”していく様子がSNS上で拡散された。

 驚くべきは、「中国はクソ」コメントのリークから、トップモデルの出演キャンセル、ファッションショーの中止、ECサイトやリアル店舗からドルガバ商品が消えるまで、全てが21日の当日の事件であることだ。ファッションショーの中止に至っては、リークからわずか4時間のことだという。

 この事件から、インバウンドにおいても「お得意さま」である中国の意思決定の速さや、メンツを重視する中国人の価値観、愛国心の強さについて学ぶべきだ。異国に向けてアプローチをする際には、理由もなく恐れる必要はないものの、「もしかしたら、その国にとっては非常識かも」という意識と敬意を持つことが重要だ。

 
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