【訪日ラボの目線 インバウンド市場を読み解く 5】W杯へタトゥー受け入れに悩み、ラグビー国際団体は異例の指示

  • 2018年11月6日

 2019年のラグビーワールドカップ(W杯)開催まで残り1年を切った。インバウンド業界にとっては、20年の東京オリンピック・パラリンピックのいわば「前哨戦」ともなる大会だが、国際統括団体、ワールドラグビー統括団体(以下、WR)が出場選手や団体に対し「日本ではタトゥーを隠すこと」と指示したことが海外メディアなどで波紋を呼んでいる。

 本件を報じたメディアでは「タトゥーは日本においてヤクザの象徴であり、一般的には見せてはいけない」「日本ではタトゥーを入れていると温泉に入れない」という背景となった日本文化も解説している。最近でも、日本人タレントが自身のタトゥーをSNSで公開したことで騒動となったが、このことからも、今の日本ではタトゥーに対してネガティブな印象を持つのが大多数だということが分かる。

 インバウンドや観光の側面から見るとどうか。訪日ラボでは温泉施設のタトゥー受け入れについて独自で調査した。全国の温泉として登録されている施設数とタトゥー口コミサイトで「入浴可能」との投稿数を集計した。16年時点での調査であることに留意が必要であるものの、その結果、タトゥーを受け入れている温泉施設は全国で0.86%しかなかった。

 また、15年の観光庁のタトゥーがある方に対する入浴可否に関する調査では、受け入れ施設は約31%ほどだったという。訪日ラボの調査では温泉施設に限定していること、観光庁の調査ではホテル・旅館を対象としているため、数値が異なるが、タトゥーを受け入れているのは多く見積もっても3割程度であることが分かる。

 今回のWRからの指示を受けて、選手らはジムやプール内での上着の着用が求められるとのことだが、入浴施設の利用については言及がない模様だ。観光庁からは「シールで隠しての入浴」「貸し切り風呂の提供」などを事例集としてまとめ、対応策を提案している。W杯開催地周辺のホテル、旅館、入浴施設では、今まさに選手らの受け入れについて頭を悩ませているが、「観光立国」達成のためにも、今後のかじ切りは非常に重要なポイントとなるだろう。
     

 
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