台湾のウェブメディア「PopDaily」で、モバイルバッテリーレンタルサービス「ChargeSPOT」が日本のローソンで提供が開始されたことを紹介する記事が12月13日に公開された。この記事は、瞬く間に台湾SNSで拡散された。この背景には何があるのだろうか。
「ChargeSPOT」は2018年4月に日本に上陸したサービスだ。自動販売機のような機械でスマホ(スマートフォン)の充電器を借りることができるというもので、現在はローソンをはじめとし、商業施設やスポーツスタジアム、コンビニなどを中心に設置されている。
「ChargeSPOT」を利用するには、専用のアプリをダウンロードする必要があったが、18年10月からは、「WeChat」内のミニプログラムでも利用可能になったことで、中華圏外国人にとって、より使いやすいものとなった。
さて、「ChargeSPOT」を紹介する記事が人気を集めた理由には、訪日外国人の旅行中の主要な情報収集源がスマホに集中していることがあるだろう。観光庁の訪日外国人消費動向調査によれば、「日本滞在中に役に立った旅行情報源」としてスマートフォンを挙げたのは訪日客全体のおよそ7割に上る。
また、スマホをカメラ代わりにしている旅行客も多いことから、旅の情報収集や思い出の記録のためにもバッテリー問題は死活問題と言える。では、容量の大きいモバイルバッテリーを自前で持ち歩こうにも、重いだけでなく、国際線での機内持ち込みの制限にかかるケースもある。
「ChargeSPOT」紹介記事が拡散された背景は、このような言われてみれば当たり前なスマホの困りごとを、どこにでもあるコンビニでサービスが開始されたという点にあるのだと考えられる。
今後の観光立国のためにも、このような旅行者目線でのインバウンド受け入れ態勢整備は、ますます重要味を帯びていくだろう。