【観国之光 470】祝世界遺産登録 新たなスタート台に 観光経済新聞 論説委員 内井高弘


登録決定は喜ばしいが、観光客をどう受け入れるか、課題も少なくない(佐渡金山)

 長年の悲願だった新潟県の「佐渡島(さど)の金山」が7月26日、世界文化遺産に登録されることが決まった。登録はゴールではない。新たなスタートであり、観光振興にどう生かすかを含め、未来を見据えた取り組みが欠かせない。

 わが国では26件目の世界遺産であり、文化遺産としては2021年の「北海道・北東北の縄文遺跡群」に次いで21件目となる。

 「世界の他の地域においては採鉱等の機械化が進んだ時代に、高度な手工業による採鉱と製錬技術を継続したアジアにおける他に類の見ない事例」としてその価値が認められた。

 構成資産は「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つ。登録後、佐渡市相川地区の観光施設「史跡佐渡金山」は夏休みもあってか、多くの観光客でにぎわったという。

 岸田文雄首相は「世界遺産の候補地となって以来、14年もの間、多くの皆さんが待ち望んでいた喜ばしい知らせ」「多くの人に、この魅力あふれる文化遺産を訪れていただきたい」とのメッセージを出した。

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