観光業界を苦しめた新型コロナ禍も収束し、辰年の2024年は観光再始動の年に、との期待を吹き飛ばすようなスタートとなった。年明け以降、悲劇的な地震や事故が相次ぎ、何ともやり切れない。
新年の門出を祝う元日に最大震度7を記録した能登半島地震は、その後も大きな揺れや降雪、風雨が容赦なく続き、被災者の救助がなかなかはかどらない。
温泉地も大きな被害を受け、石川県を代表する観光地の一つ、和倉温泉(七尾市)ではほとんどの旅館・ホテルが被災し、休業を余儀なくされている。
大津波警報が発令される中にあって、各施設では避難誘導が円滑に行われ、負傷者はいなかった模様だ。多くの施設が避難所へおにぎりや布団を提供した。献身的なサービスに宿泊客からは感謝の声や励ましのエールが寄せられたと聞く。頭が下がる。復旧には時間がかかりそうだが、必ず再開するという強い意志を持ち続け、難局を乗り切ってほしい。
観光業界も支援の輪を広げ、1日も早い復旧・復興を後押ししたい。また、風評被害も気がかりだ。北陸地方全てが地震の影響を受けているわけではない。落ち着いてきたら応援の意味で旅行に出掛けよう。
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