
日本を訪れる外国人観光客が増えるのは大歓迎だが(にぎわう成田空港)
中国の大型連休が9月29日に始まった。今年は中秋節(中国に由来する東アジアの伝統的行事の一つ。旧暦8月15日に行われる)と国慶節(建国記念日)との連休が重なり、8連休(スーパーゴールデンウイーク=超級黄金周)と例年より長く、延べ20億人以上が移動するともいわれている。
東京電力福島第1原発の処理水放出問題などもあり、日中関係は良好とはいえない状況だ。旅行予約のキャンセルの動きもあっただけに、どれだけ多くの中国人が日本に目を向け、足を運んでくれるのか(お金を落としてくれるのか)、日本の観光業にとっても無関心ではいられない。
しかし、大型連休が始まると、「北京から東京へ向かう便はほぼ満席」「羽田空港には中国からの旅行客が続々と到着」「中国の検索大手、百度(バイドゥ)などが発表したデータによると、日本は海外旅行先で人気第1位」などと各メディアで報じられた。円安という背景もあるが、8月には中国とみられる迷惑電話騒ぎも相次いでいただけに、日本をどう評価しているのか、よく分からないというのが正直なところだ。
処理水に対する受け止め方はさまざま。「日本の魚は絶対食べない。中国国内にいたほうが安全だ」と険しい表情で語る人がいる一方、「あまり気にしない。おすしが大好きで、日本で新鮮な魚を食べるのがとても楽しみ」「温泉に入って、旅館の豪華な食事をし、ぜいたくな気分を味わいたい」という人もいる。
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