【観国之光 392】ツーリズムEXPO 観光客復活へ大きなチャンス 本社論説委員 内井高弘


一般来場者でにぎわう会場。旅行のすばらしさを再認識し、各地に足を運ぶきっかけになればいい

 「新しい時代へのチャレンジ~ReStart」をテーマにした世界最大級の旅の祭典、ツーリズムEXPOジャパンが9月22~25日、東京ビッグサイトで開催された。

 2年ぶり8回目で、東京での開催は4年ぶりとなる。コロナ禍で苦しむ観光業界にとっては久々の大型イベントで、その成否が注目された。

 主催者(日本観光振興協会、日本旅行業協会、日本政府観光局)によると、世界78の国と地域、1018の企業・団体が出展し、会期中、12万4074人が来場した。

 24、25日の一般日は台風15号の影響で人出が心配されたが、計8万469人が集まり、にぎわった。旅への関心の大きさがうかがえ、観光業界として改めて旅の魅力、価値を来場者に伝えられたのではないだろうか。

 会期中、世界7カ国の観光大臣や副大臣らが出席した観光大臣会合、シンポジウム、セミナーなどが実施された。商談会では626人のセラーと554人のバイヤーが参加し、5114件の商談が行われた。

 展示会においては、出展企業・団体によるパンデミック後を見据えた新しい時代の観光資源の開拓や取り組みが展示され、SDGs(持続可能な開発目標)や旅の多様性といったサステナビリティに配慮した、従来の観光とは一線を画す最新の旅も提案された。

 コロナ禍で21年の大阪開催は延期されたこともあり、「今年こそは」という思いが主催者側にあったことは想像に難くない。

 当初、出展状況も芳しくなかったようだが、関係者の努力もあり、ここまでの規模となった。もちろん、出展者の理解、協力があったことも忘れてはならない。

 開催初日の夜、岸田文雄首相は10月11日からの入国者数の上限撤廃、訪日旅行者の短期滞在のビザ取得の免除、個人旅行解禁、全国旅行支援の実施などを表明した。業界にまん延していたもやもや感の解消につながり、グッドタイミングといえるだろう。

 特に、全国旅行支援は国民の旅行意欲をかき立てそうで、業界も期待を寄せる。願わくば、Go Toトラベル時のようなトラブルが起きないよう、しっかりと実施してほしいものだ。

 2023年は大阪南港・咲洲にあるインテックス大阪で、10月26~29日(26~27日業界日、28~29日一般日)に開催される。今年を上回る13万人の来場(業界5万人、一般8万人)を見込んでいる。

 25年には「大阪・関西万博」が控えているだけに、関西が注目されるよう、成功に向け、業界一丸となって取り組むことが求められる。

一般来場者でにぎわう会場。旅行のすばらしさを再認識し、各地に足を運ぶきっかけになればいい

 
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