【観国之光 373】動き出すIR 現実踏まえた審査を 本社論説委員 内井高弘


コロナ禍もあってか、IRを巡る機運はいまひとつ盛り上がりを欠く(長崎のハウステンボス)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業について、大阪府・市と長崎県が候補地として名乗りを上げた。一時は横浜市や北海道など多くの自治体が誘致を検討したが、結局、手を上げたのはこの2カ所にとどまり、国が整備の上限としていた3カ所を下回った。

 4月27日、観光庁はこれらの区域整備計画の申請を受理。今後、外部有識者でつくる委員会の審査を経て、国土交通相が認定地域を決める。

 IRはカジノのほか、ホテルや劇場、国際会議場などが併設された複合的な施設を指す。多額の資金を投じる一大リゾート施設であり、稼働すれば多くの外国人観光客が訪れ、地域振興に貢献するといわれた。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で目算が狂った格好だ。政府が想定したIR整備の条件が大きく変わったのではないか。世界的にカジノの売り上げは落ち込んでいるといわれ、またオンラインカジノが伸長している中で果たして集客や営業面で事業が成り立つのか、心配である。

 区域整備計画によると、大阪府・市は人工島・夢洲(ゆめしま)に2029年秋冬ごろの開業を目指す。初期投資額は約1兆800億円を予定。国際会議場・展示施設やホテル3施設(客室2500室)、カジノなどで構成し、開業3年目には国内外から年間約2千万人が来場し、年間売上高は約5200億円を見込んでいる。

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