【観国之光 327】熊本地震から5年 復興途上だが明るさも 本社論説委員 内井高弘

  • 2021年4月26日

熊本のシンボル、熊本城では天守閣内部の一般公開も始まる(熊本城の公式ホームページから)

 5年前の4月、熊本県で震度7の揺れが立て続けに2度観測され、276人が命を落とした。昨年7月には豪雨が襲い、また新型コロナウイルス禍もあって、観光面を含めなお復興途上にあるといえそうだ。

 熊本地震は16年4月14日夜に前震があり、16日未明に本震が起きた。震度7を2度記録した初めての地震とされる。影響も大きく、20万棟が被害を受けたという。

 熊本市から阿蘇地域、大分県方面への主要道路である国道57号やJR豊肥線の不通、南阿蘇村の阿蘇大橋の崩落や熊本のシンボルである熊本城の無残な姿を見ると、日本が改めて地震列島であることを再認識させられたものだ。

 途上とはいえ、復興の足取りは力強さを増している。阿蘇大橋は「新阿蘇大橋」として立野峡谷に建設され、国道57号と南阿蘇を走る国道325号を直結。雄大な光景を眺望できる展望所も併設されている。JR豊肥線も昨年夏に運行を再開。今では人気の観光列車「あそぼーい!」も走る。

 石垣や屋根瓦が崩れ落ちた熊本城では、26日から天守閣の内部が公開され、29日から5月5日までは天守閣公開記念イベント「天守閣復活祭」が実施される。混雑しないか心配だが、主催者側もそのへんは織り込み済みだろう。

 復活祭では熊本を中心に活動するアーティストや伝統芸能団体、高校生などによるパフォーマンスステージのほか、県産品を使った郷土料理の提供、城内4カ所に設置したクイズに答える「熊本城クイズラリー」も開催される。

 熊本地震では城内に13棟ある国重要文化財が全て被災し、約3割の石垣が被害を受けたという。天守閣の復旧が完了するなど着実な歩みを見せているが、全ての工事完了は2037年度の予定とされる。長い道のりだが、「復興のシンボル」であるだけに、観光関係者も早期の完了を待ち望んでいる。

 熊本地震の被災地を映画で元気づけようとする「くまもと復興映画祭」が今年も4月中旬、熊本市内で開催された。一般紙によると、大西一史市長は5年を振り返り「簡単に復興って言うなよな、言えないなって思います」と心情を吐露。多くの支援に感謝しつつ、「厳しいんだけど頑張ろうという気持ちになれるのがこの映画祭の魅力」と語った。

 県は20年度を「観光復興元年」と位置づけていたが、コロナ禍で目算は大きく狂った。ここにきてコロナの感染者数が再び増加傾向にあり、熊本観光の本格回復の道筋は見えない。しかし、言い古されてはいるが、明けない夜はない。それを信じて、歩み続けよう。

熊本のシンボル、熊本城では天守閣内部の一般公開も始まる(熊本城の公式ホームページから)

 
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