【観国之光 326】大型連休 昨年と状況変わらず 本社論説委員 内井高弘


人ごみで道を歩くのも大変だった頃の東京・浅草。こんなにぎわいが戻るのはいつになるだろうか

 4月29日からゴールデンウイーク(GW)が始まる。本来であれば行楽地は多くの人でにぎわい、宿泊施設も多忙を極める。観光業者の書き入れ時だが、昨年同様、ゴールデンとは名ばかりの、厳しい大型連休になりそうだ。

 昨年4月16日、政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言の対象地域を47都道府県に拡大した。発令期間はGWが終わる5月6日まで。当時の安倍晋三首相は「不要不急の帰省や旅行など、都道府県をまたいで移動することを絶対に避けるようお願いする」と国民に呼び掛けた。事態は1年前とあまり変わっていない。

 「今年(2020年)のGWは仕方がない。来年こそは」と期待した関係者も多かったと思うが、「まん延防止等重点措置」(4月12日から東京都、京都府、沖縄県に適用)の影響を受けることに。「緊急宣言と重点措置の違いが分からない。単に名前を変えただけではないのか。どれほどの効果があるのだろう」と投げやりな言葉も聞こえてくる。

 感染防止を徹底した上で、密を避けながら楽しめるプランなどを打ち出し、消費者にアピールすることを考えたい。

 ホテルニューオータニ(東京)は、都内ホテル最大級の屋外プール「ガーデンプール」を5月1~5日の期間、完全事前予約制でオープンする。

 2部制を導入し、1部と2部の合間に場内の点検、除菌・消毒を実施することで衛生対策を徹底するほか、男女合わせて400以上あるロッカーを半数の200まで制限、密にならないよう工夫する。料金は「プール&朝食付き宿泊プラン」で6万1800円から。「どこにも行けない連休は新緑のTOKYOリゾートへ」と呼び掛けている。

 オンライン旅行メディア、トラベルズーの「ひとり旅」に関する意識調査では、若者ほどひとり旅に抵抗が少なく、積極的な姿勢が明らかになった。

 同社は「ひとり旅は今後もニーズが高くなっていくことが予想される。選ばれる場所にするために、宿泊施設や飲食店でもおひとりさまプランを設定したり、地域全体で地元の人と交流ができるような取り組みが期待される」としている。

 KADOKAWAは昨年12月、おひとりさま専用雑誌を発売した。「こんな時代だからこそ、おひとりさまが安心安全に過ごせる、をテーマにした」という。

 1人旅の受け入れにちゅうちょする旅館も少なくないが、ウィズ・アフターコロナ時代にあって、選択肢の一つになり得るのではないか。GWを機に考えてみるのもいい。


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