【観国之光 226】「防災の日」、強靭化の議論深めよう 本社論説委員 内井高弘

  • 2018年9月10日

1日の9都県市合同防災訓練であいさつする安倍首相(首相官邸のHPから)

 9月1日は「防災の日」である。死者・行方不明者が10万人を超えた関東大震災が1923年9月1日に起きたことによる。死者・行方不明者5千人以上を出した伊勢湾台風の翌年、1960年に国が制定した。

 防災の日前後の8月30日~9月5日が「防災週間」と定められ、国や自治体が防災訓練や啓発事業などを続けている。防災の日をどれだけの国民が意識しているかはともかく、地震や火山噴火、暴風雨、豪雪などさまざまな災害が頻繁に起こる今日、備えと減災への取り組みを徹底したい。

 「シェイクアウト」という言葉をご存じだろうか。「地震に備えろ」という意味で、米国発祥の訓練だ。日本では2012年ごろからシェイクアウト訓練が行われるようになり、年々参加者が増えているという。

 時報やサイレンの音などを合図に、数分間、DROP(姿勢を低く)、COVER(頭を守り)、HOLD ON(じっとする)の三つの動作をとり、地震の揺れから身を守る。1日、愛知県内各地では実際に「あいちシェイクアウト訓練」が行われた。

 旅館やホテルは宿泊客の命を預かる商売だ。災害に対する備えに怠りはないと思うが、防災の日を契機に、改めて意識を高めたい。特に、今年は異常気象で、これまでの常識が通用しない気象災害が多発している。対策は十分なのか、できれば再点検が望ましい。

 防災の日に合わせてではないが、新潟県十日町市の松之山湯本では、8月27日に松之山温泉組合や十日町消防署しぶみ分署などが中心となって合同防災訓練が行われた。

 1954年8月、「湯本の大火」と呼ばれる大規模火災が起き、旅館や民家のほとんどを焼失したという。その教訓を忘れず、生かすための訓練で、毎年開かれ、今回も約100人が参加したという。いざという時のために、地道な取り組みは欠かせない。

 災害に強いインフラ整備による「国土強靭(きょうじん)化」を真剣に考える時が来ている。財務省は公共事業増加による大幅な歳出増に難色を示しているようだが、大雨による道路の冠水や堤防の決壊による河川の氾濫、ライフライン停止などの影響の大きさをテレビニュースなどで見ると、今のままでいいのだろうかという疑問が拭えない。

 レジリエンスジャパン推進協議会が主催する「ジャパン・レジリエンス・アワード」という表彰制度がある。レジリエンスは強靭さ、復元力などを意味し、アワードは強靭化大賞ともいわれている。今年は静岡県伊豆市の観光防災まちづくりがグランプリを受賞した。

 こうした取り組みがもっと注目され、国土作りに生かされることを期待したい。

 
1日の9都県市合同防災訓練であいさつする安倍首相(首相官邸のHPから)

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