【観国之光 224】秋の行楽シーズン、気になる台風の動き 本社論説委員 内井高弘


お盆期間中も多くの人が旅行に出かけた(群馬県高崎市の高崎まつり)

 お盆休みが終わった。今年も多くの人が国内、海外旅行に出かけ、リフレッシュしたことだろう。

 JR旅客6社が発表したお盆期間(9~19日)の新幹線と在来線の利用者数は約1468万人でほぼ前年並みだった。一方、航空各社の国内線は約370万人で、こちらも前年並みに推移した。

 西日本豪雨の影響が気になるところだが、JR四国管内は前年比89%にとどまり、影響は色濃く出た模様だ。しかし、全日空や日本航空によると、中国・四国方面は好調で、被災地でのボランティア需要があったとみられる。

 今年は半端ない暑さで、「出かけるのが億劫」という人もいたのではないか。しかし、涼しくなるこれからが絶好の旅行シーズンだ。被災地にも足を運び、観光することでわずかでも復旧、復興の手助けになればと思う。

 今年の秋はシルバーウイークのような長い連休はないが、3連休が4回ある(土曜日が休みの人に限られるが)。

 9月15日(土)~17日(月・敬老の日)、9月22日(土)~24日(月・秋分の日の振り替え休日)、10月6日(土)~8日(月・体育の日)、11月23日(金・勤労感謝の日)~25日(日)だ。

 観光業界にとってもこの時期は書き入れ時で、ここで夏の不振をカバーしたいところ。

 気がかりなのが台風だ。この原稿を書いているいま、台風19号と20号が日本列島に迫りつつある。20号は日本に上陸する恐れがあり、被害が出ないか心配だ。

 今回のケースと似ているのが1998年の台風7号と8号のダブル台風といわれる。この時は死者・行方不明者が19人、600人を超える負傷者が出た。

 それにしても台風が多い。先週、統計開始以来初めてとなる5日連続の台風発生など、半月余りの間に八つの台風が同時に発生する事態が起きている。8月3日に発生した台風13号は非常にゆっくりした速度のノロノロ台風で、各地に被害を出した。千葉県では「13号の影響でキャンセルが相次いだ」という宿泊施設もあった。

 台風大量発生の原因の一つが海面水温の上昇。日本気象協会の気象予報士によると、「海面の水温が下がりにくい状況で、9月も台風が発生しやすい」とか。

 地震、台風、雨、霰は旅行に大きな影響を与える。7月の訪日外国人旅行者は推計約283万人で過去最多となったが、伸び率は5.6%増にとどまり、2月以降初めて2桁を下回った。大阪府北部地震や西日本豪雨の影響で訪日旅行を控える人が多かったようだ。

 秋の行楽シーズン、天気に恵まれてほしいものだ。


お盆期間中も多くの人が旅行に出かけた(群馬県高崎市の高崎まつり)

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒