【観光立国・その夢と現実 5】第1回常任委員会 小原健史

  • 2020年8月16日

 1989年、山形県の本間幸男氏から推奨を受け第9代全旅連青年部長に就任した。

 その当時の歴代の青年部長は首都圏やその近隣の県で旅館ホテル事業所の多い静岡県や長野県などを主として輩出されてきた。私のように、日本の西端のしかも県域の面積や人口も、ましてや旅館組合の加盟数が200軒程度と国内で最下位に近い数値が並ぶ佐賀県から。また、九州からの青年部長の誕生は初めてのことであり、私はまさに異端児であった。

 さて、第1回目の全旅連青年部の常任委員会議の場面、その時のことは余りに鮮烈だったので70歳を過ぎた今も忘れない! 再現すると、「このたび、青年部長に就任しました小原健史です。よろしくお願いします。それでは第1回目の会議を始めます…」と冒頭のあいさつが終わるか否かの瞬間、「部長ー! この会議は禁煙ですか? 喫煙でも良いですか?」と来た!

 当時、最強の県の出向者の強烈な一刺しだ! せんえつながら若いころの私を知る地元の方には分かっていただけると思うが、“瞬間湯沸かし器”とあだ名されたように気性が激しく短気だった私は、内心ムカァーッ!ときた。しかし、全国選抜の場では怒れば男が下がる。間髪入れずに、これは試されてる!と直感した。

 すぐに気を取り直し、「皆さん、ただ今この会議を禁煙にするか否かのご質問がありましたがいかがしましょうか」とソフトに会場に問うた。「部長、禁煙にして下さい」との声が上がるかと思えば、ある人物は、いきなり口の中に3本もタバコを突っ込み、モクモクと紫煙をまき散らし始めた。喫煙派だ! 自我の強い年若い頃の反応であり、受動喫煙防止の法律が施行される現代とは違い30年前のことである…。

 私が「では皆さんの意見を確認します。喫煙OKの方は、挙手を!」というと、大方半数の手が挙がった。次に「禁煙を望む方は」というと同じく、半数の手が挙がった。「皆さん、青年部活動の本来的なことではないので、あえて決議はしませんが、賛否はご覧のような状況なので、お互いの健康のために、できるだけ喫煙を避けていきましょう!」と締めくくった。

 会場から「よしっ!」と声が上がり、パラパラと拍手も起きた。

 この(難問発生への対応と、解決のための“落としどころ”の調整、そして一気に解決する)方法をとれたのは、父小原嘉登次の影響である。

 父は、佐賀県議会議長26年続投で、周囲への細やかな気配りと果断な処理を頻繁にやっていた。そんな父の言動を、いつも間近で見聞きし、肌身で感じた環境に感謝せねばならない。とは言っても、就任早々は浅学菲才の身で失敗することも多々あり、その当時の5名の副部長と本部出向者の皆さんには大いにご助力をいただき、今更ながら感謝する次第である。

 青年部長に就任時に掲げた活動目標は、前部長からの継続で「料飲税撤廃運動の展開」、そして新しく「観光大学校の実現」「旅館は地域の文化館、歴史館との意識の醸成」、そして私自身は「全国47都道府県の全ての訪問」であった。また、当時は〔地方の時代〕というフレーズがマスコミやさまざまな場面を席巻していたが、旅館業は、その多くがまさに“地方”に所在し、お客さまの感動とともに事業を維持し、雇用を生み、地方の経済波及効果の極限化を目指しているので「地方の時代は、旅館業の時代でもある!」と言い換えて走り始めた。しかし、後日、このことが大きな波紋を生んだ。

 (佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター会長)

 
 
 
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