【観光立国・その夢と現実 19】小泉改革の国民金融公庫廃止に反対1 小原健史

  • 2021年10月17日

 前回は「レジャーホテルへ公的金融の融資を!」との訴えを記載したが(まるで尻取りの言葉遊びのような展開で恐縮であるが、また私の全旅連活動の時系列から言えば、前後するが)公的金融つながりで国民金融公庫(=国金)の存続運動について触れる。

 小泉内閣の〔民のことは民に任せよ!〕の旗印の下、公的な金融機関の全廃の政府の方針に対し、生活衛生関連16団体が〔存続〕の意思をもって立ち上がり、形態は異なったが〔日本政策金融公庫〕の誕生に少なからず寄与したことを記載したい。

 まず、生活衛生16団体とは「旅館」「一般飲食」「料理(料亭)」「すし」「麺類」「中華」「喫茶」「社交」「クリーニング」「理容」「美容」「公衆浴場」「食肉」「食鳥肉」「氷雪」「興行」で、これらの業界は厚生労働省に管轄され、この業種の営業を行う事業者は、地元の保健所で営業許可を受けなければならない。

 私は、全旅連会長に就任し、生活衛生業界の代表者が集まる会議で〔氷雪業〕という文字を見て、家庭や事業所の冷蔵・冷凍設備が進化した現代において(大変失礼ながら)今時、氷雪業は成り立つのだろうか?との素朴な疑問が浮かび、会議終了後、連合会事務局員に質問した。その返事は「小原会長さん、皆さんそう思われるようですが、氷雪業界のビジネスは大きいですよ! 遠洋漁業の船には、1隻に数億円分の氷を積載して漁に出ますから」。私は自分の浅薄な知識に恥じ入るばかりであった。そして、生活衛生業界というものはさまざまな形で、まさに国民生活の充実や向上、そして安心・安全な社会の実現に寄与するものであることを改めて認識した。

 さて、今回の本題の「小泉改革による国金解体の阻止」の運動であるが、きっかけは全旅連の清澤事務局長の電話から始まった。「小原会長、国金の副総裁が『会長に面談したい』とのことですが?」。私は直感的に「すわ、レジャーホテルへの融資が動くか?」と思ったが、時間をおかず面談した際の話は全く違った。

 副総裁いわく「小泉改革で民のことは民に任せよ!との総理の大号令で国民金融公庫は無くなってしまいそうなので、生活衛生業界で団結して国金を守ってほしい!」との悲壮な要請であった。

 すぐさま、同じ陳情を受けた生衛業界の会長たちが集まり、国金の存続について意見交換がなされ、各業界の代表者は美容組合の三根連合会長を先頭に自民党の厚生労働部会に〔国金存続〕の幟(のぼり)を立てるがごとくして参加し、陳情した。

 しかし、世の中は“超小泉人気”である。いつもはわれわれの味方である厚生労働族の国会議員の先生方も顔色が曇っている。

 結局、自民党の部会では取り上げてもらえず、新橋の生衛会館に戻り鳩首凝議をする中で、小泉側近の某国会議員に連絡をとったが総理直々のメッセージが返ってきていわく「全旅連会長の言うことはおかしい。公営宿泊施設はイカン、全廃すべし!と言いながら、公的な金融機関の国金を残せとは矛盾していて身勝手な主張だ! 駄目だ、国金は廃止する!」と強烈なカウンターパンチだった。

 三根会長が言う。「さて、どうするか?」と思案投げ首の態であったが、私から新たな提案をした。「いつも頼りにしている自民党が駄目なら、与党の一角の公明党に陳情しましょう! われわれ生衛業界は、小規模零細事業所が多く、公明党々員の会員も多いはずだ!」。

 早速、公明党の冬柴幹事長に陳情することとなり、国会議員会館の会議室に生活衛生各団体の幹部が大勢集まり、公明党の冬柴幹事長と担当副幹事長に対し〔国金存続〕の陳情を行った。冒頭、三根連合会長が代表者のあいさつを行い、小宮山専務が国金存続の意義と陳情の趣旨を正式に述べる。最後に連合会副会長の私から今回の経過と具体的な内容を説明陳情した。

 (佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター会長)

 
 
 
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