【観光業界人インタビュー】房総予約センター・京葉リザーブセンター社長 青木一氏


房総予約センター・京葉リザーブセンター社長 青木一氏

総合案内所から総合営業所へ

創立30周年を迎えて

総合案内所の房総予約センター・京葉リザーブセンター(旅館・ホテル部門=房総、レスト部門=京葉)が今年、創立30周年を迎えた。旅館・ホテル86軒、レスト103軒、計189軒の会員を擁し、昨年度は前年度を10万人上回る68万人を送客するなど多くの実績をあげている。同社の青木一社長に今後の経営方針を聞いた。

──創立30周年の記念式典が今年3月、会員旅館・ホテル、施設を集めて盛大に開かれた。

 「会員の旅館・ホテルさん、施設さんのおかげで無事、節目を迎えることができた。この場を借りて改めて感謝を申し上げたい」

──創業者の先代社長の逝去から経営を引き継いで4年。

 「先代社長の経営理念は『信用第一』。誠意をもって、正直な仕事をしようと皆で取り組んできたが、その精神は今も受け継がれている。心のこもった応対をしなさいと、社員には常に話している」

──式典で今後の経営方針を説明していた。その中で、「5年間で総合案内所から総合営業所を目指す」と話していたが、その意図するところは。

 「案内所という言葉には、ただ案内をするだけ、という響きが私にはある。そうではなく、我々独自の企画・提案型の営業をしていきたいということだ」

 「当社の営業の特長は、自社独自の企画を作って旅行業者さんに提案すること。ただ、施設のパンフレットを配るというだけではなく、施設の旬の情報をどんどん出すようにしている。この時期はこういう企画を売ろうという、年間のスケジュールを組んでいる。前の年から準備に入り、営業マンが自ら施設の現場へ視察に行く。どこかで聞いた情報ではなく、直接見た情報を説明するので説得力がある。旅行業者の方からも『とりあえず話を聞いてみよう』『房総・京葉と話をすると、面白い企画が出てくる』と認識していただいている」

 「我々は旅館・ホテルさんや施設さんとともに旅行業者さんへ同行セールスにまわっているが、それを『私たちが全部やりますよ』というふうにしたい。それが本当のアウトソーシングだし、我々がやるべき仕事だと思う。旅館・ホテルさんや施設さんは営業にかける手間が軽減され、その分、サービスに集中できるはずだ」

 「ただ、現状ではまだ足りない部分がある。我々の営業マンの知識不足もあるので、今、会員の旅館・ホテルさんと施設さんに関する知識を高める、スキルアップの研修を社内で頻繁に行っているところだ」

──売上は順調に推移しているか。

 「レスト部門の京葉リザーブは昨年、過去最高を記録した。ホテル部門の房総予約も波があるが、おおむね順調だ」

──総合案内所の今後は。

 「今までのやり方では生き残れないだろう。例えば、手配の電話がかかってきた時、『○月×日△名だけど』と言われて、そのままを旅館・ホテルさんや施設さんに伝えるのではなく、それはどういう客層で、どんな目的で、以前はどこに行ったのか、などをしっかり聞く必要がある。お客さまに行く先のご希望があっても、『その目的なら○○温泉の方がいい』などとしっかり言えるぐらいにならなければならない」

【あおき・はじめ】
35歳。1997年4月、2年間、温泉旅館での研修を経て房総予約センターに入社、営業として勤務。2005年同社社長に就任。

房総予約センター・京葉リザーブセンター社長 青木一氏

 
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