【観光業界人インタビュー】国際観光日本レストラン協会 会長 安田眞一氏

  • 2018年5月24日

安田眞一会長

日本の食文化を世界に

9月をめどにHPを刷新 外国人メニュー検討

 ──2月の総会で会長に就任しました。固辞したようですね。

 「協会に対する貢献度や指導力などを考えると、素晴らしい諸先輩が多くいらっしゃいますし、もともと心臓に持病を抱え、健康に不安もありました。まさか自分が指名されるとは思っていませんでした。尾川(欣司)会長他の熱心な説得もあり、尾川さんが名誉会長として協会に残るのを条件に引き受けました。4月に心臓の手術を受け、万全の覚悟でおります。微力ですが、協会の発展のために全力を尽くしたいと思います。ちなみに私でちょうど10代目となります」

 ──協会はどんな組織でしょう。

 「レストランのオーナーの集まりが原点。全国に芽生会という料理業研鑽(けんさん)の若手の会があり、私も入っておりますが、その会とは、互恵関係にあります。当協会の会員施設は食の安心・安全に取り組んでおり、実績も上げ、おもてなしも素晴らしいと思います。ただ、現実問題、会員数が減少傾向にありますので、会員としてのメリットがあり、協会に入っていて良かったと思われるような組織作りを考えていきます。会員不在県の解消も課題です」

 ──会員に一流のレストランや料亭が名を連ねていますが、そうした施設の皆さんと触れ合えるのもメリットの一つだと思うのですが。

 「会員を対象にした食味研修会や経営者と女将のトップセミナー、調理師・マネージャーセミナーなどさまざまな行事を開催しています。個人ではなかなか利用しづらい老舗にもうかがえるチャンスがたびたびあり、経営や技能を学ぶ場としては最適の環境だと思います。意欲を持って会員になり、知恵や知識を吸収してほしいですね」

 ──「親子体験食味学習会」は施設と消費者を結び付ける、とてもいい事業ですね。

 「2009年の創立50周年記念事業として始め、今年で10回目になります。昨年は約700人の親子が参加いたしました。皆さん食育に対する関心がとても強く、食文化の一端を担うわれわれの責任の重さを改めて感じます。添加物や化学調味料によるアトピーやアレルギーの問題も大変重要な課題であり、積極的に取り組んでまいりたいと思います」

 ──総会でホームページ(HP)のリニューアルに意欲を示していました。

 「9月をめどにアップできるようにします。創立60周年記念事業として、協会を分かりやすくアピールするほか、海外から加盟施設に直接予約できるシステムも構築する予定です。施設の集客を後押ししたい」

 ──訪日外国人旅行者の目的の一つが日本の食文化に触れることです。

 「確かにそうですが、果たして皆さんが満足してお帰りになっているかというと疑問です。回転ずしやラーメン、天丼など手軽に楽しめるものが大半で、本物を味わっていないのが現状です。もちろん、これらも日本の大事な食文化ですが、協会のトップとしてはぜひ本物の日本の食文化に触れていただきたいですね」

 ──しかし値段も関係します。有名レストランで食事をすれば万円単位です。一般の旅行者はおいそれとは行けません。

 「一流といわれる高級料理店は確かに高い。食事だけで4〜5万円、芸妓を入れると大変高額な料金になります。富裕層にとっては何でもない値段ですが…」

 ──これから外国人旅行者はもっと増えます。このままでいいとは思えませんが。

 「外国人旅行者向けにウェルカムメニューを出すということは可能だと思います。1人でも多くの外国の方に、日本の美食とおもてなしの粋を味わっていただきたいものです」

 ──東京五輪・パラリンピックで協会としてできることは。

 「前回の東京五輪(1964年)では、協会挙げてプレス向けに食事を提供しました。今回はまだどうなるのか分かりませんが、できることがあれば全面的に協力していきたいと思います」

【やすだ・しんいち】 
早大政経卒。東京都出身、70歳。安与商事(株)、大安商事(株)・代表取締役社長(新宿・京懐石 柿傳、柿傳ギャラリー、郷土料理くらわんか、手打そば大庵など経営)。国際観光日本レストラン協会理事、常務理事を経て、2006年から副会長、18年2月に会長就任。14年に観光関係功労者国土交通大臣表彰受賞。

【聞き手・内井高弘】

 

 
 
 
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