静岡県は11月29日、東アジア文化都市事業として、同県が誇る食文化と温泉文化を国内外に発信することを目的に、11月1日に沼津市で行われた令和5年度「ふじのくに食と温泉文化フォーラム」の開催レポートを発表した。
冒頭のあいさつで静岡県の川勝平太知事は、静岡県が439品目もの食材の宝庫であること、全国でも有数の温泉地であること、農林水産省が2016年に創設した「農泊 食文化海外発信地域(セイバージャパン)」として、富士山麓・伊豆半島地域が新たに選定されたことなどをアピール。来賓の観光庁の竹内大一郎・観光資源課課長は、日本が持続可能な観光立国として世界にアピールしていく上で豊富な観光資源を活用した静岡県のガストロノミーツーリズムの取り組みに大きな期待を寄せていると話した。
基調講演は、「地域DNAから見たポストウェルネス~食と温泉の再定義と未来への挑戦~」がテーマ。講師となった富士・箱根・伊豆国際学会の五條堀孝会長は、温泉を「行楽」「湯治」「リハビリ」「気分転換」「温泉治療」として、食を「食料食」(食料危機対応食など)、「普通食」(日常生活の食など)、「美食・ガストロノミー」(文化としての食)、「その他」(宇宙食など)として捉え直した上で資源を観光事業にどのように生かせば良いのかを中長期的なビジョンに基づいて進めていく必要があると語った。
午後は、「食」と「温泉」に分かれて、各領域の専門家が参加するトークセッション、パネルディスカッション、シンポジウムが開催された。