
富山県は、日本一のV字峡である黒部峡谷から上流の黒部ダムに至る新たな観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放、旅行商品化の開始日を来年6月30日に決定した。併せて、来年1月下旬から販売を予定している旅行商品の概要も発表した。
黒部宇奈月キャニオンルートは60年以上前、黒部川第三発電所・第四発電所の建設に伴い、日本電力や関西電力が工事用ルートを整備。今までは一般に開放されていないルートだったが、2018年に関西電力と富山県が締結した協定により、安全対策工事完了後、24年度に「黒部宇奈月キャニオンルート」として一般開放、旅行商品化され、黒部峡谷から黒部ダムに至る電源開発の歴史をたどる新たな観光ルートが形成される。
蓄電池機関車やインクラインなどの乗り物で進みながら、地底に造られた多様な電源施設や設備、掘削時岩盤温度が160度に達した高熱隧道(ずいどう)など、電源開発の軌跡を体験。荒々しい稜線が織りなす裏剱や仙人谷など、長く険しい道をたどった登山者など限られた人しか目にすることのできない黒部奥山の絶景を満喫できる。
キャニオンルートの旅行商品は、キャニオンルート訪問の前泊または後泊がセットになった1泊2日の4種の基本コースを設定。専門知識を習得したガイドが同行する。今後のスケジュールは、10~11月にインバウンドを対象としたモニターツアー実施。11月に北陸DCに向けた全国宣伝販売促進会議で旅行商品の詳細を公表。来年1月下旬に旅行商品の販売を開始。