全国屈指のきもの総合産地である新潟県十日町市で4月から、春を彩る「十日町きもの彩時記」と銘打ち、きもの関連の各種イベントが開かれている。
十日町織物の歴史は、正倉院に所蔵されている麻布(越後布)まで1200年以上さかのぼる。その歴史と伝統に育まれながら、先人の卓越した技術と多くの努力により、高品質の高級麻織物を産出してきた。江戸時代末から明治の初めにかけて絹織物への転換、戦後は後染に進出し日本でも屈指のきもの総合産地として、人々の生活や文化に根付いてきた。
きものの街を彩る春の一大イベント「十日町きものまつり」は、5月3日に開催。歩行者天国などでのさまざまな催しやきものの貸し出し、着付けを行う「きものの里をきもので歩こう」のほか、十三詣りや稚児行列などの伝統行事が行われる。前年度中に20歳を迎えた人を対象とする「二十歳のつどい」も開催され、華やかな振り袖姿が街を彩る。
十日町産地の新作きものを一堂に集めた展示販売会「十日町織物産地特別招待会」は、5月10~13日に開催。全国からキルト作品を募集し、入賞作品を展示する「きものの街のキルト展」は5月31日~6月9日に開催。同展が始まると、市街地にはさまざまな色や技法のキルトが飾り付けられる。