日本ジオパーク委員会はこのほど、「Mine秋吉台ジオパーク」(山口県美祢市)のユネスコ世界ジオパークへの国内推薦を決定するとともに、三好ジオパーク(徳島県三好市、東みよし町)を日本ジオパークに新規認定した。
ジオパークは貴重な地形や地質を保護し、教育やツーリズムに活用しながら、持続可能な地域振興につなげる活動。今回の認定で日本ジオパークは47地域となった。このうちユネスコ世界ジオパークに認定されているのは10地域となっている。
同委員会は2地域を次のように評価している。
【Mine秋吉台ジオパーク】
海洋プレートによって運ばれてきた石灰岩体は、古生代末期の約8千万年分の連続した浅海の環境変化を記録しており、世界的に貴重。中生代初期の石炭層からは新種の昆虫化石も発見されている。奈良の大仏の造立に使われた銅鉱床などの地質遺産もある。
また、秋吉台にある拠点施設「カルスター」では、住民を含めた多様な関係者が積極的にジオパーク活動を進め、国内外からの来訪者にジオパークの価値を発信している。
【三好ジオパーク】
急峻な四国山地と讃岐山脈、吉野川と中央構造線の活動によって形成された平野などの多様な地形地質で構成される。剣山や大歩危小歩危渓谷などは特徴的な景観。山間地の傾斜地集落では、厳しい自然環境に向き合う人々の暮らしが営まれている。
地域の住民や事業者、団体が積極的に保全、教育、防災などのジオパーク活動を進めている。また、ガイドによるユニークなツアーは、地域の魅力を来訪者に伝えており、日本ジオパークネットワークへの貢献も大きい。
祖谷渓(徳島県三好市)