【観光の学校特集】玉川大学

  • 2022年7月1日

観光学部長の家長教授

1年間の豪州留学が必修

 玉川大学は2007年4月に経営学部観光経営学科を発足。玉川学園の教育理念である「全人教育」のもと、英語運用力や国際感覚、異文化理解力、情報力などのグローバルスキルを備えた観光人材の教育に力を入れてきた。

 さらに、「グローバル時代における観光の振興に広く貢献できる人材の養成」を加速するため、同学科を発展させて13年4月に観光学部を開設。オーストラリアへの1年間の留学とTOEIC700点以上を卒業要件にし、1年間の留学を含めても4年間で卒業が可能な画期的なカリキュラムで、同大の人気学部の一つとなっている。

 その玉川大学観光学部は今年4月、さらに進化。「グローバル時代におけるツーリズムを通じて、社会の持続的発展に広く貢献できる人材の養成」を掲げ、「グローバルエリート・コース(GEコース)」と「リージョナルリーダー・コース(RLコース)」の2コース制となった。国際共通語としての英語力、異文化への理解と適応力、ツーリズム全般の知識、課題発見力と課題解決力、組織経営のための知識(マネジメント力)を4年間で学ぶ。

 1年から2年春まで英語力と学問の基礎を強化。2年秋から3年春までにオーストラリアの提携校へ留学。3年秋から4年秋までは専門科目を学修する。

 国境と言語を超えて世界を舞台に活躍する人材の養成を目指すGEコースはTOEIC800以上が卒業要件の一つだ。

 世界に誇れるまちづくりをリードする人材を育成するRLコースではTOEIC700以上を卒業要件の一つとしている。

 留学出発までのカリキュラムは学生にとってはなかなか厳しい。1年次1月末日までにIELTS6.0以上またはTOEIC500以上を獲得する必要があるため、「英語シャワープログラム」で徹底的に英語を学びながら、ツーリズムと経営の基礎も学修する。

 オーストラリアへの留学プログラムは2年次8月から3年次7月まで。ビクトリア州の3校、クイーンズランド州の1校の計4校に分かれて学ぶ。留学前半の8~1月は大学付属の語学学校で英語力を向上させ、留学後半の2~7月に大学の授業を受講する。IELTS6.0以上であれば、前半も後半も大学の授業を学ぶことができる。

また、留学中には通算1カ月超のインターンシップを実施。現地のホテル、旅行会社などやイベントでの就業を体験する。

 1年間の留学期間を含めて4年間で卒業するという濃厚なカリキュラムは、1、2年次には30人程度のクラス編成で、3年次以降はゼミによって、各教員が一人一人の学生と向き合う丁寧な指導が可能な少人数担任制によって支えられている。観光学ゼミナールは3年次後半から開始。地域活性化、観光者行動、異文化理解、観光経営学、統計分析、観光まちづくり、ホテルマネジメント、新規事業構想などを留学で育んだグローバルな視点から研究する。

 玉川大学観光学部では、過半数の教員がツーリズムやマネジメントの豊富な実務経験を持つ。社会の求める人材を理解し、実践的な指導を行っている。

◇  ◇  ◇

 観光学部長の家長千恵子教授に話を聞いた。

 ――この4月からカリキュラム編成を「2コース制」にグレードアップされた。

 「卓越した英語コミュニケーション能力でグローバルビジネスの世界でリーダーシップを発揮できる能力を学ぶ『グローバルエリート・コース』と、国際感覚と英語による発信力で国内の観光産業やまちづくりのリーダーとなる素養を磨く『リージョナルリーダー・コース』を設けた。観光・ホスピタリティ分野の未来を見据えて、多様な進路を想定したフレキシブルなカリキュラム編成とした。ポスト・コロナ時代の新しいツーリズム&ホスピタリティの可能性を開く人材を育成する」

 ――多様な進路とは。

 「人が動くところにビジネスあり。観光、つまりツーリズム&ホスピタリティはとても広がりのある分野だ。いわゆる旅行やレジャーだけでなく、人々の暮らしを快適にする製品やサービス、喜びをもたらすエンターテインメント、知的好奇心を満足させてくれる教育やメディアなど、あらゆる分野でツーリズム&ホスピタリティの考え方は大変重要になっている。学生にも”観光”を広い視野で捉えて将来について考えてほしいと思っている」

 ――家長教授はJTBのご出身だ。

 「前職では『大学生観光まちづくりコンテスト』など教育事業のソリューション開発やMICE、産学連携事業などを担当していた。大学院に社会人入学し、働きながら修士、博士の学位を取得した。玉川大の教員になってからは、地域のホスピタリティや観光まちづくりなど、学生とともにフィールドワークを重ねながら実践的な研究活動を行っている」

 ――実務家出身の教員が多いのか。

 「玉川大学観光学部には、最先端のアカデミックな研究に携わる先生方と、私を含む実務のキャリアを有する教員がバランス良く在籍している。お互いに刺激し合い、協調し合いながら、学生のためにどのような教育が望ましいかを真剣に話し合っている。今回の2コース制へのリニューアルも、観光学部の教員陣がこれまでの実績とコロナ後を見据えた視野から最適解として導き出したものだ。人が好き。人に喜んでもらうことが大好き。そんな学生にぜひ観光学部に来てほしい。この学部で多様な個性と出会い、留学で異文化に出会うことで、世界に向けて夢をかなえられる人になってほしい。この学部にはそのチャンスがたくさんあるはずだ」

 ――コロナ禍中での留学プログラムはどうなっていたのか。

 「オンラインでの留学プログラムに切り替えていたが、今年3月に現地渡航を再開した。現地渡航を希望する学生が3月から4月にかけて次々と日本を出発。念願だったオーストラリアの地を踏むことができた。英語と異文化理解の力、ツーリズムの知識を大きく伸ばして、7月に帰国する予定だ。昨年夏に留学プログラムを開始した学生は、オーストラリアが留学生の入国を禁止していたため、留学先大学のオンライン授業を国内で受講。昨年12月に留学生の受け入れが再開されたため、観光学部では学生の安心・安全を最優先に学生が希望する渡航のタイミングで送り出した」

 ――新カリキュラムで「日本文化論」も担当されているとか。

 「異文化の人々と語り合うためには、まず自国文化を知らなければ対等なコミュニケーションはできない。オーストラリア留学前に和服や和楽器、歌舞伎、相撲、折り紙など、わが国の歴史と風土に即した文化について深く学んでもらう」

過去ゼミの様子。温泉旅館の体験価値をグループごとに提案

観光学部長の家長教授

玉川大学観光学部

 


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