日本工学院専門学校は2023年4月、東京・蒲田キャンパスの情報ビジネス科ホテルコースを、従来のホスピタリティ教育だけでなく、「IT×コミュニケーション=マーケティング」をコンセプトに、「ホテル・観光コース produced by 星野リゾート」としてリニューアルし、スタートさせた。リニューアルにあたって、コミュニケーション、マーケティング、ITに関する教育カリキュラムを星野リゾートと共同で開発。次世代の観光人材の育成に生かしている。
共同開発カリキュラムの一環として、今年度はフレッシュマンキャンプを「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」で実施。現地到着時のオリエンテーションでは、リゾナレーレ八ヶ岳に勤務する卒業生による激励が行われた。
リゾナーレ八ヶ岳
またファミリー層を想定ターゲットとした「リゾナーレ八ヶ岳の魅力を味わえる滞在プランを考える」を課題にグループワークを行い、星野リゾート社員たちを前にプレゼンテーションも実施した。夕食時は、リゾナーレ八ヶ岳が提供しているチームビルディングプログラム「カレーなる一族」を体験。班ごとにカレーを作り、出来上がりを競った。リゾナーレ八ヶ岳では毎年、学生向けに約1カ月間のインターンシッププログラムも行っている。
観光コーディネート実習の一環で、星野リゾートが行っている「OMOレンジャー」をモデルとした「KAMAレンジャー」の活動も蒲田で実施している。
「OMO(おも)」は、星野リゾートが展開する観光をメインにした都市型カジュアルホテルブランド。ホテル周辺エリアに精通し、宿泊客を周辺観光にナビゲートしてくれる「OMOレンジャー」の役割をホテルスタッフが分担して担っている。
同コースではこれをモデルに地域連携事業を実施。昨年の学園祭では、学生が5色(赤、青、黄、緑、桃)に分かれ、インスタ映えスポット、散歩スポットなど蒲田の名所をガイドした。街のマップや店の紹介パンフレットも学生たち自身で制作するなど、観光コーディネートの面白さを実践で学んでいる。
KAMAレンジャー
星野リゾートがこのような専門学校との教育連携を行うのは同校が初めて。星野佳路代表らによる特別講義に加えて、卒業制作の指導協力、就職サポートなども実施している。星野代表は観光業を目指す学生たちへ次のようにエールを送る。「『観光』には座学で学ぶことだけでなく、現地に行かないと学べないことがたくさんあります。私たちも日本工学院情報ビジネス科ホテル・観光コース講師として、これまでの現場での経験と実践を共に皆さんに伝えていきます。『観光の仕事』は、決して簡単ではありませんが、非常にやりがいのある仕事です。皆さんもどんどん観光産業の中に飛び込んでいただいて、実力を付けていただきたい。一生懸命学び、日本の観光産業を牽引(けんいん)する大事な観光人材に育ってほしいと思っています」。
インターンシップ
日本工学院専門学校(蒲田キャンパス)は、学校法人片柳学園が運営。同学園は他に、日本工学院八王子専門学校、日本工学院北海道専門学校、さらに東京工科大学・大学院・附属日本語学校・片柳研究所も擁する教育機関だ。東京都大田区蒲田で1947年に設立。その後、日本テレビ技術専門学校、日本電子工学院と名称を変え、産業界の要請に応える技術者教育を行ってきた。2010年に蒲田キャンパスの新校舎が完成。16年には4千人収容の舞台付き地下多目的ホール「片柳アリーナ」も完成した。同専門学校の卒業生総数は25万人以上に達する。