【観光の学校特集】日本の観光教育をリード 立教大学


松村公明・観光学部長の授業風景

 立教大学は70年以上にわたり、日本の観光教育および観光研究をリードし続けてきた。宿泊、旅行、交通、自治体など、観光に関わる幅広い分野でOG、OBが活躍。研究者も多く輩出し、国内外の大学で教育研究に従事している。

 戦後間もない1946年、同学に「ホテル講座」が開設。66年、社会学部産業関係学科に「ホテル・観光コース」が開設され、翌67年は同コースが「観光学科」として独立。日本初の4年制観光教育・研究機関となる。98年には観光学科が「観光学部」として独立。日本の大学で初めて「観光」の文字を冠した学部が創設された。

 以降、ベトナム国家大学ハノイ・人文社会科学大学(ベトナム)、中山大学(中国)、ラオス国立大学(ラオス)、マラヤ大学(マレーシア)、漢陽大学(韓国)、タマサート大学(タイ)、セントラルフロリダ大学(アメリカ)など、海外の多くの大学と協定を締結し、学生の派遣、留学生の受け入れを積極的に進めている。

 観光学部は「ビジネスとしての観光」「地域社会における観光」「文化現象としての観光」という三つの視点から観光を学び、その多様化した全体像を明らかにする。

 「観光学科」「交流文化学科」の2学科で構成。先に示した三つの視点のうち、観光学科は主にビジネスとしての観光、交流文化学科は文化現象としての観光を学ぶ。地域社会における観光は2学科両方で学べるが、観光学科は「地域づくり」に、交流文化学科は「地域のありよう」にそれぞれ力点を置いているのが特徴だ。

 1年次は学部共通の必修科目「観光学概論」を通じて観光学の基本を体系的に身に付け、大学での学びのスタートを切る。「基礎演習」では徹底した少人数教育を実施。ディスカッションやレポート作成を通じて、自ら考え表現する能力を身に付ける。

 2年次以降はより専門的な学びに進む。観光学科は「観光ビジネス」と「地域づくり」という二つの柱から科目を構成。交流文化学科は社会学、人類学、地理学、文学、歴史学の五つの学問領域で構成。専門性の高い科目の履修や演習(ゼミ)での指導を通して、自分なりの問いやテーマを立ち上げて、多様な視点から考察できる力を養う。

 授業の一環として、多彩なインターンシップ(職業体験プログラム)を実施。「観光インターンシップ」は旅行、宿泊、交通など観光ビジネスに関わる企業や観光振興・地域づくりに取り組む全国各地の自治体、観光協会、DMO、NPOなどの実習先で活動を行う。「経団連インターンシップ」は日本経済団体連合会と同学部が連携して実施しているインターンシップで、他大学では珍しいユニークなプログラム。実習先は観光に関わる事業を展開している企業が中心となっている。

 観光学をさらに究めたい学生は立教大学大学院観光学研究科に進む。日本で初めて観光学を専門に研究する大学院として、98年に創設。多くの観光研究者を輩出している。

充実した研究施設を備えた新座キャンパス

松村公明・観光学部長の授業風景

立教大学 観光学部・大学院観光学研究科


関連キーワード
 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒