先日大手ヒートポンプメーカーの技術者に話を聞く機会がありました。大手企業では重油や天然ガスといった化石燃料のボイラが主体で、今まではヒートポンプはその補助熱源の位置づけでした。近頃この状況が変化してきたと言っています。
企業としては脱炭素経営が求められる時代になり、化石燃料の使用から脱却するにはヒートポンプを主熱源として導入することが必要になっています。メーカーとしてもそれに対応する機種をそろえていると言っていました。
宿泊施設は給湯やお風呂の昇温で大きなボイラを持っていて、電気と化石燃料の割合は大雑把に言って半々で、CO2排出量の表示が義務付けられる時代に備えて、化石燃料の使用、つまりボイラの使用を見直す必要があります。
冷暖房は空冷ヒートポンプの性能が格段に良くなり、乗鞍高原ゼロカーボンパークでも二重窓など一定の断熱対策をとればマイナス20度の冬場でも使えることが実証されています。
問題は灯油ボイラで行っている給湯と温泉加熱です。脱炭素に進むには木質ペレットのボイラかエコキュートになります。木質ペレットは供給に難があり、空冷エコキュートは寒冷地では灯油ボイラとのハイブリッドにする必要があり、イニシャルコストやメンテナンスに難があります。
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