札幌大通公園の横を車で通過したら、ずらりと並んだたくさんの屋台に人だかりができ、スゴイことになっていた。聞けばコレは「さっぽろ大通ビアガーデン」というイベントだそう。大通公園5~11丁目に多数のビアガーデンが設えられ、席数何と約1万3千席。期間は7月20日から8月15日までで、正午からオープンしているという。
札幌の小学校の夏休みは、東京に比べて平均約20日も少ないと言われるが、北国の人々はその短い夏を思いっきり楽しんでいる。このイベントも、観光客よりむしろ地元客でにぎわっているそうだ。
行ってみたいと思ったが、親しくさせていただいている中道博シェフの三つ星レストラン「モリエール」をはじめ、本マグロ一本買いにこだわる「豊寿司」、極上のお肉がいただける「焼肉トトリ」など、お食事の予定は既にビッチリ。オマケに今回は「ミシュランガイド北海道2017特別版」で見事4つ星に輝いた「JRタワーホテル日航札幌」にも1泊したので、ここの大好きなスパにも行きたいから、時間もない。
だが、もう1泊した常宿「札幌第一ホテル」で、しっかりビアガーデン気分を味わうことができた。同ホテルでは、毎夏中庭がビアガーデンと化す。コレが地元客に大好評で、1冊10枚綴り3千円(税サ込)のビールチケットが、6月2日の「ビール祭」開催を待たずして、前売りでも販売されるほどの人気ぶりなのだ。
現金でなく、メニューに記載された枚数分のチケットを支払うシステムも、学園祭の模擬店みたいでワクワク感がある。
生ビールは2枚、ポテトフライなら1枚、焼き小籠包は3枚という感じで、フードメニューは全45種類。ビアガーデンと言えば、唐揚げやソーセージでしょ、といった定番メニューもあるが、オリジナルの凝った料理が多いのも特徴。
例えば「冷やしマーボ」。麻婆豆腐の冷たいのって?と思ったが、つるんと冷たいお豆腐に、ザーサイたっぷりの肉みそが添えられ、上に載った白髪ネギと紫蘇の千切りと共にいただけば、なるほどウマイ! コレでチケット2枚なら、ムチャクチャお得感がある。
「シャキシャキ大根サラダ」も、想像をはるかに超える大きなサイズにビックリ! 千切り大根と水菜に、桜海老と海苔のトッピングだ。「ちょい辛つけ麺パスタ」なんてのもある。ベビーコーンと胡瓜、プチトマトが載った冷製カッペリーニを、ラー油入りのタレにつけていただくのだが、絶妙なあん梅のタレで、暑くて食欲がない時でもいくらでも食べられそう。
パラソルのついたテーブル席がオシャレなガーデンテラスも、チケットシステムも、オリジナリティあふれる料理内容も、さすが、アイデアマンの米澤佳晃社長!と脱帽である。今回は残念ながらチト寒くて館内のレストラン「味乃郷」でいただいたが、次回はぜひテラスでと思う。開催は9月24日まで、まだまだ間に合うぞ!
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。
冷やしマーボ
ちょい辛つけ麺パスタ
シャキシャキ大根サラダ