【竹内美樹の口福のおすそわけ 326】海の向こうの思い出の味 第1弾クラムチャウダー その2 宿泊料飲施設ジャーナリスト 竹内美樹

  • 2020年7月10日

 前号に続き、ハリケーン直撃後の米国東海岸の旅、われわれはボストンから空路ニューヨーク(NY)へ。そこからレンタカーで隣接するニュージャージー州アトランティックシティを目指す。東海岸最大規模のカジノがあり、東のベガスと呼ばれる同市だが、砂漠の真ん中にあるラスベガスとは対照的に、ビーチ・リゾートとしての側面も。全長約8キロに及ぶ板張りの遊歩道「ボードウォーク」で白い砂浜と海を見ながら散策できる。

 空港でいつもの通りレンタカー・センター行きのトラムに向かうと、何と運休! どうしよう?と困っていると、そこで偶然出会った現地在住日本人女性が、親切にもバス乗り場へ案内してくれたので、事無きを得た。予約した車を借りて、いざNYを出発!

 アトランティックシティまでは、車で約2時間。どうせ眠らない街なのだから、到着してから遅めの夕食を取ろうと考えていた。ところが、そこで想定外の出来事が勃発。街に入る寸前の所にバリケードが張り巡らされ、街自体が封鎖されていたのだ!

 ホテルを予約してあれば入れるかも?と一縷(いちる)の望みをかけ、警察官に尋ねようと窓を開けたら、有無を言わせぬ勢いで「Uターン!」と一言。それでも食い下がると、ホテルは全てクローズだと宣告された。時刻は夜9時ごろ、日はとっぷり暮れている。これからどうすれば良いやら…。

 宿を探そうにも、辺りは住宅街だから難しい。その時ふと、うっすらと明かりが灯った建物を発見! よく見るとイタリアンという看板が。腹が減っては戦ができぬ。われわれはレストランで戦略を練ることに。

 NYに戻り、3日後から宿泊予定のホテルで、予約を前倒しにしてもらうのがベストと考えたが、電話で満室だと断られた。しかも、家から避難した人たちで、NY中のホテルが一杯だろうという。そこで作戦を変え、フィラデルフィアを目指すことに。車で約1時間、NYに戻るより近い。幸いホテルも予約できた。

 常連客が1組しかいないガラガラの店で注文したNYクラムチャウダーは、トマトスープにクラムが何粒か浮いているだけの代物だったが、温かいスープが胃に流れ込んだ途端、緊張が解けてものすごくホッとしたのを思い出す。

 日本でクラムチャウダーといえばアサリというイメージだが、米国では北米大陸東海岸原産の「ホンビノス貝」が使われる。近年東京湾でも採れるようになり、「三番瀬産ホンビノス貝」として千葉ブランド水産物に認定され、船橋漁港で「クラムチャウダー選手権」が開催されるなど、日本でも広まりつつある。

 話が逸れたが、ハリケーン「サンディ」が上陸したのがアトランティックシティだったと、後で知った。高潮でボードウォークも甚大な被害を受け、市内の80%が浸水したというから、封鎖も致し方あるまい。

 さて、図らずもフィラデルフィアに向かった筆者、そして次の目的地NYはいかに? 続きは次号で!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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