【竹内美樹の口福のおすそわけ 306】おむすび物語 その3 おいしいネ!おむすび!! 宿泊料飲施設ジャーナリスト 竹内美樹

  • 2020年2月6日

 おむすびについて、その呼称や歴史、形の不思議などを探ってきた。今回は、おむすびのイマドキのトレンド。コレはやっぱり、コンビニのおむすび抜きには語れない。先に述べた通り、1978年にセブンイレブンが、パリッとした海苔(のり)を食べる直前に巻く「パリッコフィルム」を考案してから、おむすびを取り巻く状況が一変したからだ。

 それまでおむすびは家庭で作るものと考えられていたから、商品化しても売れないだろうという意見が多かったらしい。だが、セブンイレブンの当時の社長が、今後必ず外で買う時代が来ると商品開発を推し進め、おむすびの販売がスタートしたのだ。

 その後、セブンが投入した「ツナマヨ」が大ヒット。開発担当者の小学生の息子が、ごはんにマヨネーズをかけているのを見てひらめいたというこの商品、発売の1983年以来現在に至るまで、人気ナンバーワンの座を守り続けている。

 最近では、味付け煮玉子がまるまる1個入ったおむすびや、チャーハン、オムライスといった和食ではない料理のおむすびなど、やや何でもアリの感が否めない。そんな中、ヒット商品として傑出しているのが、ローソンが販売している「悪魔のおにぎり」。天かすと天つゆを混ぜたごはんのおむすびで、おいしくてつい食べ過ぎてしまうという意味で名付けられた。これとは真逆に、もち麦や大麦を使った健康志向のおむすびも、各社で売れ行きを伸ばしているという。

 家庭で作るおむすびも、進化を遂げている。数種類の具材を入れた球形のおむすび全体を海苔で包み込み、爆弾に見立てた「ばくだんおむすび」や、おむすびを握らずサンドイッチのようにごはんの間に具材を挟んだ「おにぎらず」、その具の量を増やして半分に切った断面を見せ、インスタ映えを狙った「わんぱくおにぎらず」など。

 具材がマンネリ化してしまうという悩みの、お助けマンも登場している。味の素冷凍食品の「おにぎり丸」だ。半球形の具材を冷凍のまま温かいごはんで握れば、約15分後にはおいしく食べられるというこの商品。牛すき焼き、豚の生姜(しょうが)焼き、えびマヨなどバラエティに富んでいる。

 ところで、読者の皆さまは、どんな具材がお好きだろうか? 筆者は焼きたらこ。焼くといっても中はレアで、外側だけパリッと焼いてある感じ。子どもの頃から、母が作ってくれるおむすびの中で一番好きだった。以前飲み会でこの話題になったとき、大阪出身の男子が「おかんの作った塩むすびが最高や!」と言った。確かに、それもアリだなぁ。おむすびって人と人、心と心を結ぶものでもあるのだ。

 「米一粒には7人の神様が宿る」といわれる。おむすび1個は約100グラム。1グラムのごはんに約20粒といわれるので、2000粒のお米が使われていることに。となると、おむすび1個に1万4千人もの神様がおられるのだ! やっぱりスゴイぞ、おむすび! もっと感謝しつつ食べなくちゃ!

 ※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。

 
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