
ファクトリーツーリズムや交流を目的としたイベントが各地で盛んになってきた。これまで触れ合える機会が少なかった、まち工場の現場や製造に携わる方から直接話を聞けることが評価されて徐々に定着しつつある。2013年に始まった新潟県燕三条の工場の祭典や2015年に始まった福井県鯖江かいわいでのRENEW等が注目されている。
元祖といわれる燕三条の工場の祭典は過去10年間で200社以上、累計27万人以上が参加という実績を上げている。2023年10月開催時は、オフィシャルトークショー等でクリエイティブ関係の在り方の気づきを与えるような企画が織り交ぜられ、進化した内容で展開された。
こうしたファクトリーツーリズムが各地で進む中で、大きく二つのタイプに分かれると考えている。一つは一般消費者が利用できる産品に焦点を当てたもの、もう一つは素材や一部部品等に重点を置いたものだ。燕三条の工場の祭典や福井のRENEWは前者の要素が強く、東京都大田区のおおたオープンファクトリーや大阪府八尾かいわいのFactorISM(ファクトリズム)は後者の要素が大きい。前者ではブランディングやファンづくりから購入につなげる要素が強く、後者では雇用促進や地域理解の面で力を入れている傾向がある。各地域の実情に合わせた運営の仕方といったものが求められているように感じる。
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