
8月10日より中国からの団体旅行解禁が発表された。日本政府観光局(JNTO)の発表では2023年6月の訪日観光客の総数は207万3千人で、コロナ禍前の2019年同月比で72%まで回復している。米豪等ではすでに2019年同月比を超える数の観光客が訪日してくれている。中国は2019年は959万4千人で、全体の3188万2千人の中でも1位で、30%を占めているマーケットが復活することへの期待は大きい。消費金額でみても、1兆7704億円と全体の4兆8135億円の36.8%を占めており、爆買いの復活といった経済効果を心待ちにしてきた方には朗報だろう。
ただ、一定の冷静な対応も必要である。ある有名観光地のトップの方と話してみると、中国が復活せずに一定の状態が回っている現状の方が好ましいとの声も聞こえる。コロナ禍前以上に欧米豪比率が上がっている中で、マナーを守って地域へのリスペクトを持ちながら消費に貢献してくれていることへ感謝しているという。文化の相違からくるマナーのギャップやオーバーツーリズムへすぐに戻ってしまうことへの懸念も上がっていた。
また、シンガポールや欧州等ではすでに解禁されていても、中国国内の景気状況からか、かつての大きな消費が戻っていないという話も上がっている。莫大な消費が復活するかというと懐疑的な見方があるのも事実だ。
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