【私の視点 観光羅針盤 263】宿泊施設の新整備・PR軸 地域ブランディング研究所代表取締役 吉田博詞

  • 2020年11月16日

 リモートワークやワーケーションが加速している。リモート会議が各所で推奨されるようになり、働く場所はどこでもよくなってきた中で、宿泊施設においてもこの需要開拓が鍵となり始めている。その時、宿泊施設側が留意をして整備・発信してもらいたい新機軸がある。(1)感染症対策(2)通信環境整備(3)滞在時間融通(4)地域の魅力―の4点である。(1)の感染症対策と(4)の地域の魅力はこれまでも伝えてきたので、今回は(2)と(3)にフォーカスして整理してみたい。

 まず、(2)通信環境整備に関しては、これまではWi―Fiの整備をすることが受け入れ環境の必要事項であったので進んでいる。ただ、新たな基準として、通信環境の安定性が問われるようになってきた。リモートワークをする際に、オンライン会議等でご自身ないし、参加者の通信状況が悪くて途切れてしまい、ストレスを感じたことがある人は少なくないだろう。私もWi―Fiが整備されている記載をみて安心して予約したつもりの施設で、通信状況がよろしくないことで、関係者に迷惑をかけたことがある。

 Wi―Fi整備をしているといってもロビーは強いけれども、部屋によっては弱いケースも見受けられる。これからは各部屋において、安定的につながる通信がどの程度のスピードで出ているのか、恒常的に30Mbps以上は出ているといったこと等を保証して発信してもらえるとよい。またWi―Fiは時に乱れてしまうことを想定して、有線のLANも使えるよう準備しておくことも期待される。

 次に、(3)の滞在時間融通だが、13時スタートの会議等があった場合に、多くの宿泊施設は15時チェックインが多く、泊まりでも入らせてもらえないことがある。あるいは15~18時の会議で利用できれば、それだけで十分な利用形態を探している人もいるだろう。

 最近は、徐々にリモートワーク用プランで、時間に融通を利かせたプランが出始めているところもあるが、地方においてはまだまだ進みが遅いのが実情だ。地方においては貸し会議室等の利用が簡単に探せるものもまだ整っていない中で、宿泊施設は静かに集中して仕事に打ち込めることを考えると、ショート利用や早期チェックインプランを作る等の工夫をし、それをプランとしてしっかりと発信していけば、新たな顧客獲得ができる可能性は十分にある。

 コロナで消費者の選択の優先順位というものが変わってきている。宿泊施設の環境整備、プラン開発・発信もこれまでのモデルだけでなく、消費者のトレンドや特性に合わせてしっかりと出していくことができれば、新たな需要創出につながっていく。チェーン展開しているところは、その基準を全社で達成していることを積極的に発信していければ、かつて朝食や大浴場のプランが差別化につながっていったように、新たなブランド価値となることも期待される。

 変化の時代に整備・発信も新機軸で展開することで、新規客・リピーターの確保につなげ、経営の安定化につなげていってもらいたい。

 (地域ブランディング研究所代表取締役)

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