【私の視点 観光羅針盤 255】回復フェーズを見据えた戦略立案 地域ブランディング研究所代表取締役 吉田博詞

  • 2020年9月14日

 観光地の回復には感染症対策が必須であり、そこを丁寧に準備・浸透させてから、まずは近隣のマイクロツーリズムを推進していこうという流れは、どこの観光地においてもコロナ対策として一般的なものになってきた。各地域における地域限定クーポン等の効果もあり、一定数観光地にも人が回復し始めているように感じている。

 感染者数に関しても、多くの方々の理解・協力のおかげで一定の抑え込みができつつある中で「Go Toトラベル」において9月には東京も追加される方向で検討されている。東京との人の行き交いに関してまだまだ不安を感じる地域も多い実情はあるが、正しい感染症の理解と対策が徹底されていけば、経済は回り始めていくことだろう。併せてGo Toトラベルでの地域共通クーポンの利用開始を含めて、徐々に動く需要への準備はしっかりと行っていきたいところだ。

 さて、その観光需要の回復に対しての視点が地域によって定まりきっておらず、場当たり的な対応になっていることが最近気になっている。まずは目の前の事業継続・感染症対策・マイクロツーリズムといったアクション、そしてGo To活用への準備といったところをどこも展開している状況だと思うが、少しだけ視座を上げて、ウィズコロナの状況は当面続くという前提において、短期・中期・長期のビジョンを今一度設計しておけるといいだろう。

 いつ、どんな人がどう回復してくるかという予測と、地域において、どこにどうフォーカスするかを定めていくと、バタつかずに腰を据えた展開ができるようになると考えている。それは下記五つのフェーズの正しい理解と対策である。

 フェーズ1:マイクロツーリズムを通して地元・近隣地域の方々の来訪、ファンづくり期

 フェーズ2:Go Toトラベルを活用した東京を含めた全国の方々(日本在留外国人含む)の往来回復期

 フェーズ3:特定の国家間で、ビジネス客・富裕層等によるPCR等条件緩和でのインバウンド回復期

 フェーズ4:特定の国家間で、一般客の入国制限緩和での往来回復期

 フェーズ5:世界中でワクチンが一定数提供されてからの往来自由再開期

 という五つのフェーズで、往来が再開していくことが予想される。

 いつ、フェーズ5まで戻るかという点はまだ確実な予測はできていないが、2~3年程度のうちには移行していくことが予想される。制限が緩和されてから対策をしていくのではなく、多少でも先を見据えながら、長期目線でフェーズ5を見据えた地域の未来像を描き、そこにフェーズ4321と逆引きで、フェーズ1をとらえていってほしい。

 そして、それは過去の延長でなく、正しいアフターコロナの未来予測からの地域イノベーションをしたあるべき姿からの逆引きであってほしい。

 近い将来にインバウンドは必ず回復する。ただし、新たな価値基準とともに回復していくその姿を想像しながら、各地が戦略を描きなおしてくれると地域の再生が期待できる。

 (地域ブランディング研究所代表取締役)

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