【私の視点 観光羅針盤 229】SDGs プラスチック・動物愛護 地域ブランディング研究所代表取締役 吉田博詞

  • 2020年2月24日

 体験商品のブラッシュアップ、今後の販路拡大のために、欧米豪から旅行会社を招聘(しょうへい)してファムトリップを展開する機会が多い。販売目線でどんな商品が売れるか、何を改善したらいいか、具体的なフィードバックをもらうことができ大変参考になる。

 昨今、プラン内容と併せて急速に対応が必要となってきているのが、SDGsの要素をしっかりと配慮したプラン作りである。ここ1年で各社の要求度が上がってきており、時代の流れをきちんと理解して対応しないと取り残されかねないという危機感を覚えている。

 特に必要なのが、エコ意識と動物愛護である。以前は多少配慮されていると、「きちんと顧客ニーズが分かっているね」「ぜひお客さんに勧めてみたいね」という感覚であった。それが最近では、配慮をしていないなんてあり得ない。そのセンスがいけていないので、お客さんへの推薦対象から排除していくくらいの流れになってきている。では、どうしたことに気を付ける必要があるのか。

 まず、エコ意識だが、プラスチックに対する取り組みは大事なポイントだ。プラスチックのペットボトルやストロー等は特に気にする事柄になっている。エコ意識の高い人にとって、水筒は当たり前の所有物で、どこでも持参している。マイストローやマイ箸の持参というケースも増えている。そんな感覚を持っている人に、プラスチックのものを渡したりすると、ひんしゅくを買うという流れだ。

 世界の都市を見てみると、既にクアラルンプールではプラスチックストローを制限する法律が施行されており、シンガポールでもキャンペーンがなされていたりする。プラスチックの過剰包装を嫌がる人もいることを認識はしておいてほしい。アジアの他の都市では当たり前に進んでいることが、日本ではまだ浸透していないというギャップを理解して、配慮した体制に変えていく必要も出てきそうである。

 続いて、動物愛護だが、伝統的な闘牛や鵜飼も価値観によっては嫌がる傾向がある。動物が可哀想。もっとのびのびと暮らせる環境にいてもらった方がいいのに、苦しめるなんて何とも残酷だという感覚を持つ人もいる。イルカと触れ合う企画がある旅行サイトでは、規定違反で紹介すらできなくなっている流れもある。

 もちろん、日本が大事にしてきた文化を外圧でなくす必要はないと当方も考えている。方法としては、これまでしっかりと動物と共存するためにやってきた工夫、家族のように暮らしている等、その辺のあり方をきちんと伝えれば理解をしてもらえるといった声もあるので、知恵を絞った見せ方が必要になってくるだろう。

 外国人を受け入れるために、伝統や地域の文化を変える必要はないと考えている。ただし、時代が変わり顧客のニーズが変わってきているという事実を知った上で、形を変えてより良くできる部分と、守るべきものが何なのかをしっかりと考えて、地域にも顧客にも喜ばれる商品が育っていってくれることを願いたい。

 (地域ブランディング研究所代表取締役)

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