【私の視点 観光羅針盤 225】有償ガイドのクオリティ 地域ブランディング研究所代表取締役 吉田博詞

  • 2020年1月27日

 欧米豪を中心とした体験商品では、より文化的・ローカルなもののニーズが高い。より日本らしいものに触れ合って交流したいという需要が強いためである。必ずしもパッケージ化されたものではないものを商品化していく上では、そこをナビゲートしてくれるガイドが必要となる。その際、ぶち当たるのがガイドクオリティの課題だ。

 まず前提で共通認識を持ちたい。ともすれば、シニアの知識自慢や、話し相手になりすがってしまうケースもあるボランティアガイドの延長とは全くもって別世界だということだ。

 プロの有償ガイドは1日2~3万円、指名のガイドなら7~10万円以上をもらう方もいる。では、プロの有償ガイドはどんなスタンスで、その付加価値をコーディネートできているのだろうか? 知識や語学の保証はもちろんのこと、評価されるガイドが心掛けているコミュニケーション要素をいくつか整理してみたい。

(1)「顧客のニーズにこたえる

 大事なのは、最初のコミュニケーションである。どこから来た誰で、何を求めてきているのか、カスタマイズして何をどう伝えていけばそれを満足してくれるか、しっかりとイメージして全体の設計ができていることである。

(2)共通項を探して広げる

 相手の国や住んでいるまち、趣味、好きなスポーツチーム等で知っている共通項で、しっかりと盛り上げの企画をしていくことも大事である。これで一気に距離を縮めていけると、結果、安心感が増して満足度も上がっている。

(3)ほどよい距離感

 文化・芸術系のスポット訪問の場合は、欧米人なら特にその空間や背景にしっかりと浸って感じ取りたい方も多い。簡単に概略ポイントを説明した上で、あとは質問に任せるのも方法だ。質問が来るようなトリガーはいくつか織り込みつつ、寄せられた質問に答えつつ、空気を読みながらよい距離感を保っている。

(4)感動の物語の編集・演出者

 よい企画はそこに伏線が織り込まれている。最後に、何を伝えてどう演出していけば感動を持ち帰ってもらえるか、しっかりと設計して動かしていけるとよい。伏線が最後に全て拾っていけると、そこで感動体験につながっている。

(5)臨機応変な対応

 ベースプランは担保しつつ、マニュアル通りでなく、当日の天気や家族構成、これまでの経験等に応じた臨機応変な対応を小さなことでもすることができれば、期待値を超えて満足度も上がっている。特にその調整幅が大きければ大きいほど評価も上がっている。

 指名されるガイドは、これらの要素をしっかりと持った上で、リピーターを確保し、しっかりとガイド業だけで生計を成り立たせている方も多い。すぐにこの観点を全て担保するのは難しいとも考えられるが、前提としてこれらの観点を理解して動いて、ガイド業が誇りある、稼げる仕事になっていってくれることに期待している。

(地域ブランディング研究所代表取締役)

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