【直販を増やす】デジタルマーケティングトレンド44 松本慶大


松本慶大氏

 日本のコロナ新規感染者数は落ち着いているものの、世界ではオミクロンの猛威で新規感染者が増加していることから、2022年もウィズコロナを覚悟しつつ、アフターコロナに向けた準備が必要だ。まだまだ、先が読みにくい難しい状況だが、22年4月には改正された法律が施行される。

 ◆改正個人情報保護法

 20年6月に成立した改正個人情報保護法は、22年4月1日から施行される。これにより企業が取るべき対応について準備が必要だ。現行法では仮名化された個人情報も、通常の個人情報と同様の取り扱い上の義務が課されている。しかし、それでは購買情報や顧客データの利活用ができず、新技術革新の妨げになるため、利用目的を特定・公表した上で、「再識別をしない」「社内での分析に限る」ことを条件に、取り扱い上の義務が緩和される。

 今回の改正は「技術革新を踏まえた(個人情報の)保護と利活用のバランス」が前提となり、企業のデータ利活用に関する規制緩和が行われる一方で、プライバシー保護など個人の権利も強化される。例えば、利用権停止についてお客さまから「サービスを退会したので、個人情報を削除してほしい」と請求された場合、その求めに応じる必要があるとされている。

 ホテル・旅館業においては多くの施設が自社ウェブサイトを持っているが、今回の改正で「Cookie(クッキー)データの活用にも規制強化」される点は対応が必須となる。クッキーは特定のウェブサイト閲覧履歴などを記録する仕組みだが、Google Analyticsなどウェブサイトの解析ツールを導入している場合、ウェブサイトに訪問した瞬間にクッキーを取得している。4月1日以降は、ウェブサイト訪問者から同意を得てからクッキーを取得することが必要となる。

 現時点で、対応すべきポイントは次の通り。

 欧州(GDPR)向け対応

 氏名、識別番号、位置情報、クッキーやIPアドレス、Macアドレス、広告IDなども個人情報として定義されている。取得については同意が必要。

 日本(22年4月施行 個人情報保護法改正後)向け対応

 クッキーに関しては、MAやCRMツールなどを使って顧客情報とひもづけて使われる場合は個人情報となり、規制の対象。クッキーを個人情報とひもづけて使用する想定で取得する場合は同意が必要。ひもづけない場合は個人情報とは別の扱いになる(=個人関連情報)。つまり、日本在住のユーザーに対してはクッキーをひもづけない場合、同意取得は必須ではない。別途、個人情報保護法とは別に、電気通信事業法の中で今後、クッキー規制がかかる可能性はあるが、いまは検討段階。

    □   □

 具体的な設置方法は、オプトイン方式(企業などが個人情報を収集・利用しようとする場合、事前に本人の許可が必要であることを意味すること)で対応し、同意する前にクッキー等の取得はしてはいけないゼロクッキーロードにしておくことを弊社では推奨している。マーケティング担当者の方や経営者の方は、この法改正に対応が必要であると認識して、制作会社に相談してほしい。
 
 今年もマーケティングカレンダー(22年度版)を作成した。必要な方は、info@collely-at.comあてに、ご連絡ください。

 (コレリーアンドアトラクト代表取締役)

 
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