【直販を増やす】デジタルマーケティングトレンド26 コレリィアンドアトラクト代表取締役 松本慶大


◆海外事例から学ぶ=コロナ禍におけるスウェーデンの生き残り対策(前編)

 世界規模で観光産業のみならず世界経済に大きな打撃を与えた新型コロナウイルス。「人の移動、接触を規制することで感染リスク拡大を抑える」という対策は、ホスピタリティ産業に直接影響している。感染者数の推移、政府の対応が日々変化しながらも、感染リスクを抑えた形で新しい観光・旅行スタイルがうたわれ始めている。出入国規制があるため、インバウンド・アウトバウンドの旅行需要の喚起は難しく、今、目が向けられているのは国内旅行、近距離旅行となっている。

 このような状況で、日本国内の市場・消費動向にのみ注目しがちだが、日本以外の国や地域も同じような規制の中、観光従事者はそれぞれ生き残り対策を行っている。海外の事例から学び、日本市場でも活用できる対策や施策を柔軟に取り入れてみてはいかがだろうか。また、インバウンド・アウトバウンド旅行が回復した際に、海外の市場動向を知っておくことも大きな強みになる。

 今回は、コロナ禍でもホテル集客を急速に回復させたスウェーデンの事例を紹介する。ヨーロッパ諸国と比べて、スウェーデンは、レストランやホテルを休業することなく、営業し続けたという実績があった。スウェーデンの生き残り対策を学び、コロナ禍の集客へ活用しよう。

 まずは、その背景から確認すると、2020年第1四半期の1週目と最終週の人の動きの変化。スウェーデンは、ロックダウンや、外出自粛の規制がヨーロッパ他国に比べて緩やかであったため、人の動きの変化は他国に比べて大きくない(減少が少ない)背景があった。これは、日本の状況とよく似ている。政府の規制が緩やかでありながらも、勤勉な国民性により、国民一人一人が行動自粛を行い、手洗い、うがい、除菌などのマナーを順守していたとも言える。

 スウェーデンの生き残り対策を六つ紹介する。

(1)安心感を与えるメッセージをホテルウェブサイト訪問者へ、ポップアップで表示し、ユーザーとのコミュニケーションを積極的に図り、予約に関しては(キャンセルや延期など)フレキシブルに対応することを1番に伝える。※参考ホテルhttps://ligula.se/en/pressreleases/information-om-gallande-sakerhetsrutiner-rorande-coronaviruset/

(2)近距離の滞在(Staycation)をプロモーションする。近距離、近隣のユーザーへ、当日(今日)の宿泊・滞在の販売に注力する。不安な情勢の中、職場や自宅での日常生活以外で、気分をリフレッシュする、現実逃避できる空間をホテルが提供できることをアピールする。※参考ホテルhttps://hotelatsix.com/

次回は(3)~(6)の対策について紹介する。

(コレリィアンドアトラクト代表取締役)

 
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