【皇室ゆかりの宿特集】指宿白水館(鹿児島県・指宿温泉)


正面玄関

「薩摩の全て」を伝える宿

 鹿児島県指宿温泉の指宿白水館は昭和22年、鹿児島市内で創業。同35年に現在の地に進出した。錦江湾を望む広大な敷地に「薩摩客殿」「花の棟」「磯客殿」「離宮」という四つの客室棟を展開。大型旅館ながら、落ち着いた和の情緒ときめ細かなサービスには定評がある。

 世界のVIPも訪れ、平成15年にロシアのエリツィン大統領(当時)、翌16年に小泉純一郎首相と韓国の蘆武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(ともに当時)が日韓首脳会談で同館を訪れたのは記憶に新しい。

 皇室との関係は、昭和47年に三笠宮ご夫妻と寛仁親王が第27回国体の視察で宿泊。同50年は秩父宮妃殿下が宿泊された。平成20年は常陸宮ご夫妻が同館の「薩摩伝承館」に立ち寄られている。

 薩摩伝承館は同館創業者と現在の館主が長年にわたり収集した約3千点の美術品、工芸品を展示する歴史資料館。「ここに来れば薩摩の全てが分かる」という必見の場所だ。平成21年には天皇陛下即位20年、天皇皇后両陛下成婚50年を記念した皇室の衣装展も開催している。

 白水館のもう一つの名物は「元禄風呂」。江戸の文化が最も栄えた元禄時代の庶民の社交場だった銭湯を意識し、日本のお風呂の歴史を再現したという。広さは約千坪。浮世絵を壁一面に施した「浮世風呂」「花魁(おいらん)風呂」や、現在のサウナの原型で江戸時代の蒸し風呂「江戸石榴(ざくろ)風呂」、樽風呂、泡泉と、バラエティに富んでいる。

 そして指宿で忘れてならないのが砂むし。温かい砂に身をゆだねると次第に体がぽかぽかし、砂の重さと温泉の効果で体中の老廃物が汗とともに流れ出る。

 料理は毎月献立が変わる。枕崎産カツオ、錦江湾産キビナゴ、屋久島産トビウオ、肥沃な大地で育った黒豚、黒牛と、鹿児島の旬の味覚が食膳に並ぶ。

▽鹿児島県指宿市東方12126の12。TEL0993(22)3131。http://www.hakusuikan.co.jp/

正面玄関

元禄風呂

【公式】指宿白水館 | 公式ホームページ 

 

※本特集記事は、観光経済新聞4月27日号(新天皇陛下の御即位前)に掲載したものです。


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