【特集 旅館の生産性向上策】フロント業務を効率化 草津温泉・望雲

  • 2022年8月10日

黒岩智絵子さん

ラインを駆使して管理 仕事と人の動き一目で

 草津温泉(群馬県草津町)の中心「湯畑」から徒歩3分。西の河原通りから坂を上ったところにある「望雲」(42室)は、二つの源泉をひいた六つの掛け流し風呂と石楠花庭園が自慢の宿。

 宿泊費(1泊2食)は、本館が1万6千円から。雲松庵は2万3千円からで、露天風呂付き客室は3万円から。予算に応じて客室を選べるので、お客さまに好評という。

 「望雲」の稼働率が高いのは、温泉の泉質はもちろん、接客や料理の良さに加え、「お客さまがご来館された際に、『気持ちがいいお宿』と感じていただけるよう、きめ細かく、徹底して清掃しているからでしょうか」と、女将の黒岩智絵子さん。地道な取り組みも背景にありそうだ。

 従業員は約60人で、黒岩さんは女将として、お客さまへの接客が主な仕事。さらに、黒岩さんを含めた7人のフロント担当者の、シフト作成も手掛ける。その手法が独特だ。ラインを駆使して管理する。フロントの業務には、「チェックイン」や「チェックアウト」などのお客さまへの応対はもちろんのこと、「予約管理」「部屋割りチェック」の事務仕事から、「自動販売機の補充」「車両管理」など多岐にわたる。

 これらの業務内容を赤や青、黄色などで色分けし、符丁で示している。本日の自分の仕事がどんな流れか、フロントの他のメンバーが、今何をしているのかが一目で分かるようになっている。この符丁を、エクセルで作成、グループラインで送信し、7人で共有し合う。

 ラインで送ったシフトは、プリントして、フロントデスクの横に設置し、フロント以外の従業員が見ても、目当ての人が何をしているのかが分かるので、連絡や報告がスムーズになっている。

 休日の希望日や予定など、7人それぞれの希望を把握した上で、2、3カ月先までの、メンバー全員の休日一覧表を作成し、ラインで共有する。このことにより、皆が平等に休日を取得していると、実感できる。

 誰かに急用が入れば修正し、ラインで送れば対策もすぐ取れる。ラインはコストもかからない。10年ほど前から、シフト管理に必須のツールとなっている。

 「以前はお客さま優先で、従業員の休日や予定は二の次でしたが、ラインの活用により、大きく改善されたと思います。従業員の中には、北海道や九州にご両親がいる人もいます。本人も年に数回帰省したいし、こちらも帰省を実現してあげたい。そこでみんなが順番にまとまったお休みを取得できるように、早期から休日を設定しています。そして遠い地域への帰省も可能になりました」

 「休日と次の休日までは、最長でも5日です。疲労がたまり体調を崩してしまった、ということがなくなり、突然病欠になる人は、ほぼ皆無です。休日を有意義に過ごすということは、日ごろの労働意欲を向上することにつながると思います」

 「チームという考え方で、皆が協力し合う姿勢も楽しいことです。本人の誕生日は、毎年休日になるように調整しています。『おめでとう』の気持ちを伝えたいからです(笑い)。このシステムでフロントチームの働く環境は良くなっています」―と、黒岩さんはライン活用に自信を示す。

 

落ち着いた雰囲気を漂わせる望雲

仕事の流れや他のメンバーが何をしているのかが一目で分かる

黒岩智絵子さん

 

 
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