【焦点2021】Go Toトラベル 編集部 向野 悟

  • 2021年1月3日

“頼みの綱”早期再開に期待

 政府の観光需要喚起策、Go Toトラベル事業は、新型コロナウイルスの第3波といわれる感染拡大を受け、全国で一時的に適用が停止された。苦境に陥った観光産業の事業継続、地域経済の循環を支えてきたが、年末年始の旅行シーズンを直撃するタイミングで停止となり、ようやく光が差してきた旅行市場に再び暗雲がたれ込めてきた。

 Go Toトラベル事業は、国内旅行市場の活性化に効果を発揮した。2020年7月22日から11月15日までの約4カ月間の利用者数は少なくとも約5260万人泊と推計される。20年7~10月の延べ宿泊者数(観光庁速報値)は全国で約1億699万人泊。比較の期間が完全には重ならないが、約49.2%で事業が利用された計算だ。

 一時的に停止されてもGo Toトラベル事業が、需要回復への頼みの綱であることに変わりはない。事業期間は21年6月末までをめどに延長が決まっている。政府は12月に閣議決定した追加経済対策で、「観光関連産業は全国で約900万人が従事するなど地域経済を支える基盤」として、事業の延長を通じ、失われた旅行需要の回復を目指すことを目標に掲げた。

 政府が観光産業を重視する姿勢は予算確保にも裏付けられている。Go Toトラベル事業の予算は、開始時に約1兆4千億円を計上。当面の予算不足を補うため、12月には予備費から約3千億円を追加。さらに事業期間の延長に向けて、20年度第3次補正予算案に約1兆円を計上した。合計額は約2兆7千億円に上り、観光施策の予算として前例のない規模だ。

 ただ、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えないことには、Go Toトラベル事業の継続も、旅行需要の本格的な回復もあり得ない。ワクチンの供給などによって感染の脅威が消えればよいが、観光産業が当面すべきことは、感染拡大防止策の徹底、感染リスクを低減できる新たな旅行スタイルの提案などだろう。

 Go Toトラベル事業を巡っては相次いだ制度変更は別としても、業種業態や地域ごとの回復度合いの差、平日への旅行需要の分散化、さらには事業終了後の旅行需要の反動減、旅行者意識や流通の変化など、観光関係者が考えるべき課題は多い。しかし、今を乗り切るにはGo Toトラベル事業による観光需要の喚起が必要だ。観光の再生へ早期の再開を期待せずにはいられない。

     
 
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