【焦点課題】栃木県宇都宮市 佐藤栄一 市長に聞く

  • 2021年2月2日

佐藤市長

宇都宮市の観光戦略

「大谷石文化」などギョウザに次ぐ柱に

 「大谷石(おおやいし)文化」が日本遺産に認定され、観光面でも注目度が高まる栃木県宇都宮市。昨年11月に5回目の当選を果たした佐藤栄一市長に市の観光の現状と今後を聞いた。

 ――さまざまな産業がある中で、市にとって観光はどのような位置付けにあるか。

 「当市は北関東最大の人口52万人を擁する中核市で、工業、商業、農業がバランス良く、三つの柱となっているのが特徴といえる。工業については、内陸最大規模の工業団地、清原工業団地を含めた市全体の製造品出荷額が約2兆1千億円。日本の中核市で第5位に位置している。農業も出荷額、粗生産高でベストテンに入っている」

 「観光については、年間購入額が日本一となったギョウザが有名になり、『宇都宮といえばギョウザ』といわれるまでになった。ただ、いつまでもギョウザばかりに頼っていては、ギョウザ本人も大変だ(笑い)」

 「そこで、市を代表する歴史文化資源で、2018年に日本遺産に認定された大谷石文化や、アジア最大級の自転車競技大会『ジャパンカップサイクルロードレース』、国際大会を誘致した3人制バスケットボール『3X3(スリーエックススリー)』などを、ギョウザに続く新たな観光の柱にしようと取り組んでいる。これらは世界にも自信をもってPRできるコンテンツだ」

 「19年の台風19号や、昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大で一時的にお客さまは減っているが、特に大谷石文化の日本遺産認定を機に、『大谷資料館』がある大谷地区をはじめ、市内を訪れる観光客が飛躍的に増えた」

 「観光は交流人口を増やす最もストレートな施策だ。交流人口の拡大は定住人口の拡大にもつながる。大切にし、伸ばしていかなければならない」

 ――22年を最終年とする「第2次宇都宮市観光振興プラン」を推進しているが、進捗(しんちょく)状況は。

 「22年の目標値の一つは、観光入込客数1550万人。18年まで良い数字が出ていたが(18年=1513万人)、先ほど申し上げたように19年は台風19号で減少(1477万人)し、20年もコロナ禍で厳しい見通しだ」

 「ポストコロナになった段階で、さらに飛躍をし、目標を達成したいと考えている。そのためにも、先ほどのギョウザ、大谷、ジャパンカップ、3X3などのコンテンツにさらに磨きをかける。行政と事業者の皆さんが一体となり、おもてなしを充実させるとともに、一般の市民の皆さんにもおもてなしについて意識をしていただくよう努める」

 「県が誘致をして、デスティネーションキャンペーン(DC)を18年に実現させた。前年のプレ、終了後のアフターを含めて、3年間を有効に使おうと力を入れ、その成果も上がっている。これからもDCのようなチャンスを生かして、旅館・ホテル、飲食など事業者の皆さんがしっかりと持続経営できるよう努めたい」

 ――コンテンツの磨き上げについて、具体的には。

 「大谷は特に磨き上げをし、売り出していかねばならないと認識している。大谷資料館の人気が高まっているが、周辺に飲食店がもっとあればなどの要望があった。市として早速、土地利用の規制緩和を行い、飲食店などの立地をしやすくした。民間が十分に力を発揮できるよう、行政が後押しする。そういう取り組みを今、進めている。既に名乗りを上げて、オープンした店もある。滞留時間を楽しく、有効に活用いただくことで、観光客の増加、リピーターの拡大につなげたい」

 ――市内の観光関係者にメッセージを。

 「昨年5月、市内の観光関係事業者や飲食店など、官民連携で本市観光推進に取り組む宇都宮観光推進委員会を立ち上げた。対コロナ、ポストコロナに向けて何が必要か検討をしながら、具体的に上がった一つが、対コロナの『プレミアム観光クーポン宇都宮』の販売。市内の旅館・ホテルへの宿泊をはじめ、ギョウザ・ジャズ・カクテルの店や観光施設の利用がお得になるものだ」

 「市は皆さまの意見をしっかり政策に反映させて、観光都市を目指したいと思っている。観光業界の皆さんは市にとってなくてはならない存在だ。厳しい時代だが、歯を食いしばり、共に頑張ってまいりましょう」

 ――市外の人々には。

 「実際に来て宇都宮の魅力を体感していただき、市の観光業発展へ、さまざまなきたんのないご意見をいただきたい」

佐藤市長

【聞き手=森田淳】

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