【焦点】観光振興財源 内井高弘

  • 2018年1月1日

出国税と宿泊税注目 使途の明確化が必要

 2017年に話題を集めたのが観光関連税ともいえる出国税(仮称「国際観光旅客税」)と宿泊税だ。宿泊税は自治体マターだが、出国税は国税となるだけに、国民の理解が得られるよう使途を明確にする必要がある。

 出国税は17年夏頃から急浮上し、導入は観光庁の有識者会議(次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会)の議論を経て提案された。政府・与党は前向きに受け止め、12月14日決定した18年度与党税制改正大綱に盛り込まれた。東京五輪・パラリンピックを控える19年1月に導入される。

 国税の創設としては、土地バブル対策で1992年に導入された「地価税」以来となる。それだけ新税導入はまれなのだ。

 税の徴収を喜ぶ人はそうはいない。使い道や金額が具体的に見えないまま導入されれば、批判を免れない。巡り巡って、その矛先が観光業界に向かう可能性もなくはない。「観光業界だけが潤っているのでは」と思われると困った事態になる。

 出国税は日本人、外国人に関係なく1人1回の出国につき千円を航空運賃などに上乗せして徴収されそう。16年1年間の訪日客と日本人の出国者計約4千万人から1人千円を徴収すれば税収は約400億円となる計算。観光庁の年間予算をはるかに上回る額となる。図らずも、観光庁の低予算ぶりが浮き彫りになった格好だ。

 税収は出入国手続きの円滑化や訪日プロモーションの強化などに充てるとされるが、旅行会社や航空会社の負担も増えるだけに、そのへんも視野に入れた使い道を考えてもらいたい。

 宿泊税は、東京都が先陣を切って02年10月から徴収をはじめたが、17年には大阪府が導入し、京都市が18年10月頃の導入を表明したことからにわかに注目されるようになってきた。民泊への対応とも相まって、京都市の成果を見守っていきたい。

 宿泊税は北海道や金沢市、最近では長野県白馬村などでも導入を検討しているといわれ、動きはますます活発化しそうだ。
   
【内井高弘】


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