マーケティングやプロモーションなどを行い、観光客に「選ばれる」ことが短期的には重要だが、ブランディングにより観光客に「選ばれ続ける」という中長期的視座も忘れてはならない。
観光地全体の価値を高めるには、集客だけを目的とする従来の「デスティネーション・ブランディング」だけでは事足りない。「文化」「芸術」「伝統」への共感、「住民」の魅力の創出、「環境」への配慮、「社会」への貢献、さらには「輸出」「対日投資」「留学生誘致」への寄与といったさまざまな観点から「プレイス」(国、地域、都市)のブランドを構築していく「プレイス・ブランディング」の視点が不可欠だと本書。
ブランドの基礎知識を整理した上で、DMOで実際にプレイス・ブランディングを適用するために必要な10の手法を説明。イギリス、ニュージーランド、岐阜県、京都市など国内外のDMOでの先進的な取り組みも具体的に紹介している。
執筆者は、ブランドやサービス・マーケティングを専門とする大学教員、ブランドコンサルティング会社のコンサルタント、DMOの実務経験者と有識者。
発行は学芸出版社。定価は本体2500円(税別)。