【日本政府観光局インバウンド最新リポート 46】日中の青少年交流推進 JNTO上海事務所 原口健司 所長

  • 2019年1月28日

教育・卒業旅行の訪日促進

 2018年10月に行われた日中首脳会談において、日中両国は、19年を「日中青少年交流推進年」と定め、両国の青少年交流を大胆に推し進めていくことで一致した。それを受け、日本政府はこれまで中国教育部(日本の文部科学省に相当)の直属大学75校に対象を限定してきた訪日短期滞在査証の申請手続きの簡素化を、19年1月から1243校にまで拡大するに至ったのである。この査証緩和により、今後、大学生による日本への教育旅行(中国では研学旅行と呼ばれる)や卒業旅行の増加が見込まれる。

 まず教育旅行について言及する。中国教育部は各省や教育委員会に対し、青少年は教育旅行を通じ、さまざまな知見を増やすべきであるという方針を打ち出している。その流れを受け、例えば江蘇省では同省の「教育中長期発展規則綱」の中で、20年までに大学生の海外交流経験者を全体の5%以上にすることを掲げ、省政府の付属機関である江蘇教育国際交流協会が積極的に海外での教育旅行を募集・催行している。

 18年の夏休みに、同協会が催行した訪日教育旅行には、楊州大学、江蘇大学、蘇州大学などの9団体学生334人が参加し、東京、大阪、愛知、石川などを7日間で訪問し、日本では、JNTOのアレンジで早稲田大学在学中の中国人留学生との交流も行った。この交流をさらに活発化させようと、19年は500人の大学生を日本に送るという政府関係者の目標も設定されているそうである。

 また、卒業旅行についても査証緩和による増加に大きな期待が寄せられる。17年に中国の大手旅行情報サイト「馬蜂窩」(Mafengwo、マーフォンウォ)が実施した卒業旅行に関する報告書によると、大学生のほぼ100%が卒業旅行を予定していると回答しており、卒業旅行の目的は「リラックスしたい」が最も多く、「友人との友情の記念」「学生生活をいったん、リセットする」と続いている。

 卒業旅行の予算を見てみると、訪日旅行が可能だと思われる6千元以上と回答している学生がおよそ30%に上っており、市場規模の大きさに驚かされる。また、予算が1万元以上と回答している学生が7%弱。利用予定の交通手段に関する質問に、飛行機のビジネスクラスと回答している学生が1%強おり、日本人がイメージしがちな低予算での卒業旅行とは一線を画す層がいることが分かる。海外の旅行目的地では1位がタイ、2位が日本、3位がベトナム、以下、マレーシア、ネパールと比較的旅行費の安価な東南アジアの中で、日本は人気の高さを誇っており、今後もこの傾向はさらに強まると予想する。

 日中の良好な友好関係という追い風を受け、青少年の国際交流がますます増加することが期待できる。JNTOとしても、訪日教育旅行や訪日卒業旅行を後押しすることで、一人でも多くの日本ファンの若者を増やし、訪日リピーターの造成に貢献していきたい。

 
 
 
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